テニスのウィンブルドン大会、ロシアとベラルーシの選手の出場を停止
イギリスで開催されるテニスのウィンブルドン大会で、ロシアとベラルーシの選手の出場が停止されることになった。
今夏の大会に出場させない方針
ウィンブルドン大会を主催する「All England Lawn Tennis Club」は4月20日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、今夏の大会にロシアとベラルーシの選手の出場停止を決定した。
その理由について、主催者は「選手が参加することでロシア政府が利益を得ることは容認できない」と説明している。
このような決定は、第2次世界大戦にドイツと日本の選手が出場禁止されて以来、初めてのこととされている。
ジョコビッチ選手やナブラチロワ氏も批判
この決定について、セルビア出身のノバク・ジョコビッチ選手は「クレイジー」だと非難。ベオグラードで開催中のセルビア・オープンで記者団に対して、次のように語った。
「私は常に戦争を非難します。私自身が戦争の子どもであったため、決して戦争を支持しません。戦争がどれだけ、心に傷を残すか知っています。セルビアでは、1999年に何が起こったかをみんな知っている。バルカン半島では、最近の歴史においても多くの戦争を経験しました。しかし、私はウィンブルドンの決定を支持することはできません、それはクレイジーだと思います。政治がスポーツに介入するとき、その結果は良いものにはなりません」
また18回のグランドスラムのシングルタイトルを持つ、マルチナ・ナブラチロワさん(チェコスロバキア出身)も、ウィンブルドンの決定を批判。自身がプレーヤーとして、政治のためにチェコスロバキアを去らねばならなかったことも振り返り、次のように述べた。
「ロシアやベラルーシの選手たちの中には、戦争に反対し、声を上げている人もいるのです。彼らがプレーするためには、国を離れるしかありません。私は1975年に、全体主義体制のためにそうしなければならなかったのですが、今、私たちは政治的な理由から、彼らに同じことをするよう迫っています。もちろん、国を代表するチームの出場禁止は理解できますが、個人レベルでは、間違っていると思います」
その上で、ナブラチロワさんは「この決定が一過性のものであり、これ以上エスカレートしないことを望みます」と述べたという。
The legendary @Martina celebrates her birthday today 🥳 pic.twitter.com/YZEsoTYn9C
— Wimbledon (@Wimbledon) October 18, 2021
ランキング上位の選手に影響
今回の決定で影響を受けるのは、男子ではロシア人のダニール・メドベージェフ選手(26歳:世界ランク2位)や、ロシアのアンドレイ・ルブレフ選手(24歳:世界ランキング8位)。
女子では、ベラルーシのアリナ・サバレンカ選手(世界ランキング4位)、ロシアのアナスタシア・パブリュチェンコワ選手(世界ランキング15位)、ベラルーシのビクトリア・アザレンカ選手(世界ランキング18位、元世界ランキング1位)とされている。
アナスタシア・パブリュチェンコワ選手は、ウクライナとの戦争を止めるよう訴えていたという。(了)
出典元:出典元:Washington Post:Novak Djokovic, Martina Navratilova lead backlash over Wimbledon ban(4/21)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: 120,000 civilians blocked from leaving besieged city of Mariupol, says Zelenskiy – live(4/21)