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【中国】9人の男が飲食店で女性らに暴行、拡散した動画に怒りの声

【中国】9人の男が飲食店で女性らに暴行、拡散した動画に怒りの声
Twitter/沼

中国の河北省で、先日食事をしていた複数の女性が男らに襲われた。その動画が拡散され、性暴力に関する議論が再燃しているという。

 

男が女性の背中を触る

 

この事件が起きたのは6月10日、場所は河北省北部の唐山市にある飲食店だとされている。

 

きっかけは1人の男が3人で食事をしていた女性に近づき、そのうちの1人の背中を触ったこと。触られた女性は、男の手を押しのけたという。

 

男は激怒し、店内で女性を殴り、その後他の男らも女性を店の外へ連れ出して暴行を続けたという。一緒に食事をしていた女性や、かばっていた女性も殴られる様子が、動画に映っていた。

 

SNSで動画は拡散、反響を呼ぶ

 

その後、暴行を受けた女性のうち2人は病院に収容され、現在は「安定した状態で生命の危険はない」状態といわれている。また他の2人の女性も軽傷を負ったという。

 

 

地元の警察はこの事件で9人の男を逮捕したと発表。しかし動画が6月11日にSNSで拡散されると、反響を呼び、多くの議論を呼び起こしたそうだ。

 

国営メディアは容疑者に厳罰を科すよう呼びかけ、あるコメンテーターも「この出来事のすべては私に起こるかもしれないし、私たちの誰にでも起こるかもしれない」とSNSに投稿したという。この投稿には10万件の「いいね」が付けられたそうだ。

 

また別のユーザーも「こんなことが2022年にまだ起こっているなんて・・・」とし、「どうか、彼らに刑事罰を与え、誰一人逃がさないようにしてください」と投稿している。

 

さらに「女性に対する暴力が横行している社会で起きたことだ」や「ジェンダーの視点を抑圧し、無視することは、女性が苦しんでいる暴力を否定することだ」との意見が寄せられた。

 

事件の裏にある背景とは?

 

BBCのメディア・アナリストであるKerry Allen氏は、このような事件の背景について、次のように詳しく解説している。

 

「中国では、女性に対する暴力行為が恐ろしいほど頻繁に行われています。10年前、私は中国に住んでいましたが、白昼堂々、男性が自分のパートナーに暴行を加えているのを何度も目撃しました。また、それを傍観者が見ていることもよくあることです」

 

またAllen氏によれば、このような暴力事件は夫婦間のプライベートな問題であると多くの人が考えてきたという。

 

中国がDV(家庭内暴力)を法律で罰するようになったのは、2016年3月のこと。しかし2001年以前は、身体的虐待は離婚の理由にもならなかったそうだ。

 

中国では近年、女性がセクハラや暴行について男の責任を追及することにほとんど成功していない。証拠となる映像がない限り、被害者に有利な判決が出たケースはほとんどなく、2年間の中国政府の執拗な締め付け(新型コロナ対策)が、家庭内暴力を悪化させたという。

 

その上でAllen氏は「SNSでも今回の事件の結果が、軽い刑と少額の罰金になると感じている人が多い」と説明している。(了)

 

出典元:BBC:China: Footage of women attacked in restaurant sparks outrage(6/11)

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