新型コロナの蔓延は韓国からの風船が原因?北朝鮮が示唆
北朝鮮が、自国内で新型コロナウイルスが蔓延したのは、韓国のせいだと主張したがっているようだ。
発熱症状を示した患者は4570人
この2年間、新型コロナの感染者は一人もいないと主張してきた北朝鮮は、5月12日に最初の感染者を認め、その後公衆衛生上の危機が起きるのではないかと懸念されてきた。
7月1日には、北朝鮮で新たに4570人が発熱症状を呈し、感染者数は474万人に達したと報告されたという。またこれまでのところ死者は73人しか報告されていない
北朝鮮の保健当局は、新型コロナではなく「発熱症状を示した人」として数字を公開しているが、これは検査キットが不足し、新型コロナと確定できないため、と考えられている。
「未確認物質」に触れた人間が陽性
国営の朝鮮中央通信は、4月上旬に東部の金剛郡で「未確認物質」に触れた18歳の兵士と5歳の子供に症状が現れ、その後新型コロナの陽性反応が出たと発表したという。
その報道は「発熱症状を示した患者の急激な増加は、彼ら(兵士と子供)との接触者の間で見られ、初めて発熱症状のグループがその地域に現れた」と伝えたそうだ。
つまりこの「未確認物質」がどうやら、韓国側から飛ばされた「風船」と考えられているらしく、朝鮮中央通信は市民に対し「国境や国境線に沿った地域で、風や他の気候現象によって運ばれてくる異質なものや、風船に警戒して対処するよう」警告した。
韓国統一省「可能性はゼロ」
韓国では、脱北者の活動家らが風船を飛ばして、反政権のビラや人道支援物資を北朝鮮に送っているが、今年になってからは4月下旬に西部の金浦地域から飛ばしのが初めてだとされている。
このため韓国統一省は7月1日、新型コロナが風船を通じて北に侵入した可能性は「ゼロ」であると発表。
専門家も北朝鮮の主張には懐疑的で、ソウルにある北朝鮮研究大学のヤン・ムジン教授は「物を通してウイルスが拡散する可能性は極めて低いことを考えると、科学的に見ても北朝鮮の主張を信じるのは難しい」と語ったという。
アメリカの疾病対策予防センター(CDC)も、ウイルスに汚染された物や表面に接触することで感染するリスクは、不可能ではないが、一般的に低いと考えられていると評価している。(了)
出典元:The Guardian:North Korea blames Covid-laden balloons sent from South for virus outbreak(7/1)