アメリカでサル痘の患者が約2000人、保健機関が警告
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、「サル痘」について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言した。
アメリカでもサル痘の患者が増加し、保健当局は患者らに治療を受けるよう警告している。
1972件以上の症例を確認
米疾病対策予防センター(CDC)によると、7月18日現在、アメリカでは1972件以上のサル痘の症例が確認されているという。
ニューヨーク市やワシントンD.C.など一部の都市では、ワクチンへの需要の高まりから、サル痘予防接種センターの前に長蛇の列ができているそうだ。
このため保健当局は、ウイルスにさらされた人や症状の出ている人は、すぐに治療を受けるよう警告している。
さらに多くの症例が存在すると予想
ニューヨーク市では数百人のサル痘患者が報告され、ワシントンD.C.では人口当たりの患者数が最も多く、やはりどちらの地域でもワクチン配布所に人々が殺到しているという。
ただしABCニュースのMedical UnitのSony Salzman氏は、次のように述べている。
「サル痘の流行は今が正念場です。というのも、検査を強化するにつれて、症例数の多さが明らかになりつつあるからです。(略)私たちが把握している症例数は約1500件ですが、専門家はさらに多くの症例が存在すると予想しています。サル痘の認知度が高まるにつれて、サル痘ワクチンの需要も高まっています」
サル痘はウイルスであり、他の多くのウイルスと同じように広がるそうだ。ただ新型コロナとは異なり、呼吸器系のウイルスではない。
飛沫感染する可能性はあるが、誰かの顔に近づかなければ感染する可能性は低く、ほとんどの場合、皮膚と皮膚の接触によって広がるそうだ。
サル痘は体のさまざまな部位に水疱を作るが、その水疱に触れたり、触れたりした人が感染するのが一般的だという。
ただサル痘はもともとアフリカで感染が確認されてきたもので、このようにアメリカやイギリスの中枢で広がる原因については分かっていない。(了)
出典元:ABC News:START HERE looks at the rise in monkeypox cases and what to watch for(7/20)