ロシア軍がヘルソン州のダム爆破を計画か?ゼレンスキー大統領が警告
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍が東部ヘルソン州にあるダムを爆破する計画を立てていると警告した。
すでに爆発物を設置か?
ゼレンスキー大統領は10月20日、ロシア軍がヘルソンにある「カホフカ水力発電所」のダムを爆破する計画を立てているとし、次のように述べた。
「ロシアはカホフカ水力発電所で(攻撃の)準備をしている。我々の情報によると、カホフカ水力発電所の骨材とダムには、ロシアのテロリストによって爆発物(地雷)が設置された。ダムが破壊されれば、北クリミア運河(400kmに及ぶ長い運河網)が消滅する。大規模な惨事となるだろう」
ゼレンスキー大統領によれば、ダムを破壊すれば、ドニプロ川からクリミアに水を供給する可能性さえもなくなるが、この攻撃は「大量破壊兵器の使用と全く同じことを意味する」という。
ウクライナ大統領の顧問であるミハイロ・ポドリャク氏も「ロシアが人為的な大災害を準備している」とし、「ロシアはカホフカ水力発電所のダムと変圧器に地雷を埋め、(略)ドニプロ川下流域を氾濫させようとしている」と述べている。
このためウクライナ政府は、国連とEUに、ヘルソン州のカホフカ水力発電所に監視員を派遣するよう求めた。
またゼレンスキー大統領は、ロシアが黒海を通過する予定のウクライナの穀物輸出船150隻以上の通行を遅らせていると非難している。
#Ukraine calls on the #UN and the #EU to send observers to #Kakhovka Hydroelectric Power Plant. pic.twitter.com/1uXml9XDK1
— NEXTA (@nexta_tv) October 21, 2022
ベラルーシの合同部隊の目的とは?
ベラルーシの動向だが、イギリス国防省は、これについて独自の見解を示した。
イギリス国防省によれば、ロシアが7万人のベラルーシ軍を合同部隊に参加させたと発表したことは、ウクライナ側の気を逸らすものだという。
実際にロシア軍がベラルーシに相当数の兵力を追加投入したとは考えにくく、この発表は恐らくウクライナに北部国境の警備のために兵力を割かせるためだ、との見方を示した。
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 21 October 2022
Find out more about the UK government’s response: https://t.co/X8IXxY7DrA
🇺🇦 #StandWithUkraine 🇺🇦 pic.twitter.com/vGVhbKLVkB
— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) October 21, 2022
米政府、イランの関与を確認
一方、アメリカ政府は、イランがロシア軍によるウクライナ侵攻への関与を深め、イラン製ドローンを操作するロシア軍の操縦者に技術支援を提供しているとの見方を示した。
アメリカ国家安全保障会議のジョン・カービー氏は24日、ロシア軍が無人爆撃機の操作に困難を感じた後、イランのアドバイザーが訓練とメンテナンスを提供するためにクリミアに滞在したことを確認したと述べた。
ただしアメリカ側は、イランのアドバイザーが実際に無人爆撃機を操縦するために滞在していたわけではない、と考えているようだ。
またアメリカ国防総省は、アメリカの国防長官とロシア国防相とが電話会談を行ったと明らかにした。
会談では、アメリカのオースティン国防長官とロシアのショイグ国防相が、両国の「意思疎通の回線を維持することの重要性を強調」したという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: US pledges ‘unwavering commitment’ to Ukraine; Zelenskiy accuses Russia of delaying grain ships – as it happened(10/21)