難民の子供を学習支援するため、セサミ・ストリートにロヒンギャのキャラが登場
子供向け番組「セサミ・ストリート」に、今後ロヒンギャの子供たちのキャラクターが登場することになった。
教育番組に登場
そのキャラクターとは「Noor(ヌール)」と「Aziz(アジズ)」。イスラム教徒のマイノリティであるロヒンギャの6歳の双子という設定となっている。
彼らはバングラデッシュにある大規模な難民キャンプ「コックス・バザール」で暮らす子供たち向けの、教育番組シリーズに登場するという。
この教育番組はロヒンギャ語で放送され、難民キャンプで学習の機会が少ない子供たちに、算数や科学、社会的及び幸福などの問題について学習の手助けをするそうだ。
Meet Noor and Aziz – 6-year-old playful Muppets who live in a refugee camp in Bangladesh. As part of @SesameWorkshop’s Play to Learn humanitarian program, Noor and Aziz will be part of new educational content to support children & families affected by the Rohingya refugee crisis. pic.twitter.com/3XiJsLbRbV
— Sesame Street (@sesamestreet) December 17, 2020
70万人が難民キャンプで暮らす
2017年以降、ミャンマーで暮らしていた少数民族ロヒンギャの人々は、軍による残虐行為から逃れ、バングラデッシュに避難。現在も難民キャンプで約70万人が暮らしているという。
しかも難民キャンプで暮らす人々の半分は子供だと言われている。そんな子供たちの学習支援のために、「Noor」「Aziz」というキャラクターが作られた。
非営利団体「セサミ・ワークショップ」のSherrie Westin氏は次のように語っている。
「豊かなロヒンギャ文化に根ざし、ロヒンギャの家族からの広範な研究とインプットに基づいて、NoorとAzizは、これまで以上に必要とされている時期に、遊び心のある学習の変革力を家族にもたらします」
シリアでも同様の活動
ロヒンギャ語のセサミ・ストリートの動画は、バングラデシュに本拠を置くBRAC教育開発研究所やレゴ財団などの一連の国際機関によって設立された「Play to Learnプログラム」の一環として考案されたという。
彼らは、内戦が続くシリアの難民の子供たちとも協力しており、今年初めに「アーラン・シムシム」と呼ばれるセサミ・ストリートのローカライズ版を制作している。
また子供らが自分たちの世界に影響を与える問題を理解するのを支援するため、他のマペットも作られており、その中には自閉症のマペット、HIVと共に生きるマペット、ホームレスのマペットが含まれるという。(了)
出典元:BBC:Sesame Street creates Rohingya muppets for refugee children(12/18)