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世界最大の電気自動車は110トンのダンプカー、しかも充電の必要なし

世界最大の電気自動車は110トンのダンプカー、しかも充電の必要なし
EDUMPER

スイスのKuhn Schweiz AG社が開発した大型トラック「Elekto Dumper」は、世界最大の電気自動車だ。

 

全長9.1メートル、幅4.2メートル、高さ4.2メートル、車両の重さは45トン。タイヤは人の背丈より大きく、1つのタイヤだけで値段が小型乗用車一台分はするという。

 

スイスの鉱山で活躍中

 

荷台に65トンを積載できるこのトラックは、現在、スイス・ベルン州の鉱山で活躍している。65トンの鉱石を積載すると、トラックの総重量は110トンにもなる。

 

EDUMPER

 

この超ヘビー級電気自動車を動かすバッテリーは、重さが4.4トン。小ぶりの象1頭ほどの重量だ。電力容量は600kWhで、一般家庭の1ヵ月の使用電力が400kWhほどであることを考えると、どれだけ大きなバッテリーかが分かるだろう。

 

このクラスのトラックになると、普通、年間で8万3000リットルの燃料(軽油やガソリン)を消費し、200トン近くのCO2を排出する。対して、電気で動くElekto DumperはCO2を排出しない。そればかりか、発電所で作られた電気さえも使わずに、スイスの鉱山を登り降りしている。

 

EDUMPER

下りで発電した電気を上りで使用

 

Elekto Dumperは、山の上にある採掘場から鉱石を麓に運び下ろすのが仕事だ。まず、荷台が空の状態で、バッテリーの電力を使って山を上る。鉱石を積んで重くなった状態で、今度は山を下りる。下り坂ではエンジンを使わないので電力は消費しない。それだけでなく、車体の重さのせいで勝手に進む車輪の回転を利用して、発電し、その電気をバッテリーに充電しておく。

 

 

スイス・ベルン州の鉱山では、Elekto Dumperが1度山を上り下りすると、その度にバッテリーの充電量が10%増えるそうだ。つまり、外部からの充電なしに動き続け、さらに余りの電気を作れるということになる。(どの鉱山でもそうとは限らない)

 

このElekto Dumperについて海外メディアからコメントを求められた電気自動車のF1(フォーミュラE)チャンピオン・Lucas di Grassi氏は、「これは魔法そのものだ。電気自動車の実践的な応用例だ。費用がかからず、効率が良く、地球環境にいい」と言っている。(了)

 

 

出典元:TECH2:World’s largest electric vehicle is a 110-tonne dump truck that needs no charging(8/20)

出典元:GoodNewsNetwrok:World’s Largest Electric Vehicle is a Dump Truck That Doesn’t Even Need to Be Plugged in for Recharging(8/26)

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