ニューカレドニアで、警察官がデモ参加者を射殺
南太平洋にあるニューカレドニアで、フランスの警察官がデモ参加者を射殺した。
マクロン大統領訪問の翌日
ニューカレドニアでは、投票制度改革に端を発し、フランスからの独立を求める先住民のグループがデモを起こし、同時に放火や略奪が起き、混乱が続いていた。
そのためフランスのマクロン大統領が5月23日、事態収拾のためにニューカレドニアを訪問。独立派と反独立派の議員らと話し合い、投票制度改革を当分の間、行わないとし、新たな政治合意を求めた。
これで混乱が収束すると期待されたが、翌日の24日、首都ヌメアでは警察官がデモ参加者に襲われ、発砲。これにより、デモ参加者1人が死亡した。下はここ一週間の、町の様子。
Fransa’nın özerk bölgesi Yeni Kaledonya’da bağımsızlık yanlıları polisle çatıştı: Sokaklar savaş alanına döndü. pic.twitter.com/ZAiJs1ePWJ
— TRT HABER (@trthaber) May 22, 2024
15人のデモ参加者に襲撃される
検察官によると、発砲した警察官は現在、拘留されており、当時は同僚と共に、15人のデモ参加者に襲撃されたと述べているという。
殺害されたデモ参加者は48歳の男性。しかしこの1週間の混乱により、これまでに7人が死亡しているそうだ。
警察官の顔には殴られた跡が残っていたようだが、その後、殺人事件として捜査が開始された。
先住民らが投票改革に懸念
ニューカレドニアでの抗議活動は、人口の40%を占める先住民のカナック族が率いているという。
現在、ニューカレドニアでの投票権は、先住民のカナック族の人々と、1998年以前にフランスから渡ってきた人々にしか、与えられていない。
しかし新たな投票改革では、ニューカレドニアに少なくとも10年以上居住している人に投票権が与えられ、より多くのフランス人の居住者が投票できるようになる。
カナック族の人々の多くは、この投票改革により、自分たちの政治力が弱まる可能性や、将来の独立住民投票の実現が難しくなるのでは、と懸念しているという。(了)
出典元:BBC:Protester killed by policeman in New Caledonia(5/24)