スペインの北朝鮮大使館襲撃事件、容疑者の多くが朝鮮人、2人がCIAと関係か?
先日、スペインにある北朝鮮大使館が複数の人物によって襲撃されたが、そのうちの2人の容疑者が特定されたと欧州のメディアが伝えている。
10人のうち2人がCIAとのつながりか?
この謎に満ちた事件が起きたのは2月22日、ちょうど米朝首脳会談がベトナムで行われる5日前のこととされている。
事件当日、マドリードにある北朝鮮大使館に10人が押し入り、大使館員らを縛り上げて拘束。その後、コンピューターや携帯電話、書類などを盗んでいったという。
スペインのメディア、El Paísは発表された報告書や、警察やスペイン中央情報局(CNI)からの情報筋の話として、10人の容疑者のうち2人の身元が特定されたと伝えた。
またその2人はアメリカの諜報機関、CIA(米中央情報局)とのつながりのある人物だと報じている。
Spain investigates possible CIA links to embassy break-in https://t.co/ZUH8LZifOX
— The Guardian (@guardian) March 13, 2019
CIA側は関与を否定
El Paisによれば、スペイン側はCIAからの説明を求めているが、米諜報機関側は一切の関与を否定しているという。
またレポートでは、CIAが韓国の諜報機関と共同して行動した可能性があると伝えている。
ただ現時点でもスペイン政府と警察は、2月22日に北朝鮮大使館で女性が軽傷を負った事実しか認めていない。(大使館側は被害届も提出していない)
しかし捜査当局は監視カメラの映像分析や、目撃者への聞き取り調査から、10人のうち2人がCIAとつながりのある人物であると特定したという。
また捜査当局は、2人を除く容疑者の多くが朝鮮人だったとも伝え、犯人らが金正恩氏の側近で、元スペイン大使の金革哲(キム・ヒョクチョル)氏の情報を探していた可能性も示唆しているそうだ。
ちなみに金革哲氏は、2回目の米朝首脳会談における北朝鮮側の対米特別代表で、会談の準備にも携わり、出席もしていたとか。
スペインの捜査当局はこの事件を政治的なスパイ活動とし、小さな犯罪などではなく、特殊部隊の軍事作戦と同じような、よく組織化された襲撃だったと考えているという。
ただし、これらの情報に関し、スペイン中央情報局はコメントをしていない。
まだまだ謎が多く残るが、米朝首脳会談が物別れになった理由が、この事件と何らかの関係があるのかどうか、興味深い。(了)
出典元:The Guardian:Spain investigates possible CIA links to embassy break-in(3/13)
出典元:The Telegraph :‘CIA link’ to brazen raid on North Korean embassy in Spain on eve of Vietnam summit(3/13)
出典元:FOX NEWS:2 suspects in North Korea embassy attack in Madrid have CIA ‘connections:’ reports(3/14)
出典元:MailOnline:CIA ‘linked’ to North Korea embassy break-in: Two members of gang that entered building in Madrid, tied up staff and stole computers, ‘are connected to US intelligence agency’(3/13)