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国際宇宙ステーションの空気漏れ、その箇所を特定したのは超音波でなくお茶っ葉

国際宇宙ステーションの空気漏れ、その箇所を特定したのは超音波でなくお茶っ葉
Wikipedia/国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーションで起こった空気漏れ。これまでの数週間、どうやってもその箇所が特定できず、乗務員たちは困っていた。ところが今月19日、お茶っ葉を使うことで穴の場所が見つかり、無事に塞ぐことができた。

 

ロシア・モジュールから謎の空気漏れ

 

SwitchNewsの過去記事『ISS内から空気が漏れ出していることが判明、原因箇所はいまだ特定できず』でもお伝えしたが、国際宇宙ステーションからの空気漏れが、この数週間問題になっていた。

 

ロシア・モジュール内からの空気漏れ、実はずっと以前から1日に270グラムほどが漏れ出していたらしいが、量が増え続け、1日約1.4キログラムにもなったため、漏出箇所の特定が本格的に行われることとなった。

 

ところが、捜索はうまく進まなかったようだ。乗務員たちは、超音波を使った漏出探知器や、圧力測定値の分析などで隠れた「穴」を探したが、箇所を特定することはできなかったそう。

 

無重力にお茶の葉を浮かべて

 

こんな状況の中で革新的なアイディアを提供したのが、ロシアの乗務員・Anatoly Ivanishinさんだった。

 

彼はティーバッグを破って、中のお茶の葉をばらまき、無重力状態のモジュール内に浮遊させた。それからその区画を無人にし、ハッチを閉めて密閉。外部からビデオカメラで茶葉の動きを観察した。

 

すると、浮いた茶葉は、壁にある小さな傷に見える場所に集まって行ったとのこと。それは傷ではなく極小の割れ目で、確かにそこから空気漏れしていることが後の調査で分かった。

 

国際宇宙ステーションのロシア・モジュールを運用する国営宇宙公社ロスコスモスは、ツイッターで「空気漏れは応急処置で塞がれた」と伝えている。メディアによれば、補修用のテープを貼り付けたそう。(ただのテープではなく、−269℃から400℃まで耐えられるカプトン・テープと呼ばれるもの)

 

とりあえず空気漏れは止まったものの、いつまでもテープで済ますわけにはいかない。現在、永続的な補修法が検討されている。(了)

 

出典元:UPI:Space Station air leak repaired with help from floating tea leaves(10/20)

出典元:Forbes:Astronauts Plug Leak On The International Space Station With The Help Of Floating Tea Leaves(10/20)

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