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タイで放射性物質を含むシリンダーが行方不明、健康被害の恐れを警告

タイで放射性物質を含むシリンダーが行方不明、健康被害の恐れを警告
flickr_Mad House Photography

タイの発電所から、放射性物質の入ったシリンダーがなくなっているのが判明し、現在捜索が続けられている。

 

長さ30センチのシリンダーが消える

 

3月10日、バンコクの東100kmにあるプラーチーンブリー県の蒸気発電所の機械から、長さ30cmのシリンダーがなくなっていることが明らかになったという。

 

このシリンダーには放射性物質「セシウム137」が含まれており、タイ当局は国民に健康被害の恐れがあると警告し、3月15日には捜索を拡大したそうだ。

 

プラーチーンブリー県の広報担当者であるAke Wongjinda氏は、当局が同県や隣接するチャチューンサオ県にある、ジャンクショップや廃棄場、中古品店などを検査したと明らかにした。

 

保健当局が国民に注意を促す

 

医療サービス局のThongchai Keeratihuttayakorn局長によれば、セシウム137は塩に似た物理的特性を持ち、容器を開けると簡単に飛散してしまうという。

 

またこのシリンダーは、高さ17メートルのサイロに接続され、サイロ内の灰の測定に使用されていたという。

 

保健当局は国民に対し、放射性物質に長時間直接接触すると、皮膚の発疹、脱毛、口内炎、疲労、嘔吐などを引き起こす可能性があると注意を促している。

 

また、セシウム137に短期間接触した場合、すぐに症状は出ないが、癌のリスクが高まる可能性があるとも述べている。

 

情報提供者に報奨金

 

発電所の所有会社「National Power Supply Public Co., Ltd.」の代表、Kittiphan Chitpentham氏によれば、シリンダーが偶然に紛失したのかは不明だという。

 

またシリンダーは数週間前に失われた可能性があり、Chitpentham氏は、情報提供者に同社が5万バーツ(約19万円)を現金で提供すると述べている。

 

タイでは2000年にも、バンコク郊外の廃品置き場で、放射性物質「コバルト60」が入った大瓶が不法投棄されているのが見つかったそうだ。(了)

 

出典元:ABC News:Thai officials search for radioactive cylinder from plant(3/15)

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