サハラ砂漠に降った37年ぶりの雪、NASAが撮影した衛星画像が公開される
先週、サハラ砂漠に珍しく雪が降ったのだが、その様子を衛星から捉えた画像が公開され、話題となっている。
自然の色で表現された写真
その画像を撮影したのはNASAの衛星「Landsat 7」。
衛星はサハラ砂漠に雪が降ったとされる19日、北アフリカにあるモロッコとアルジェリアの国境付近の様子を上空から撮影。
アルジェリアのAin Sefraから、モロッコのBouarfaという街にかけ、広範囲にわたって一面雪で覆われている姿を、自然の色で表した画像として捉えた。
1979年にも雪が降ったことがある
撮影したNASAの地球観測所(Earth Observatory)によれば、この地域は周りをアトラス山など3000mから4000m級が連なる山脈に囲まれ、夏の平均気温は37℃だが、冬場になると時折1桁台に落ちることがあるという。
しかしやはり雪に覆われるのは珍しく、37年前の1979年2月に一度だけ降った記録があるそうだ。
ただその時はわずか30分ほどしか降っておらず、雪も積もるまでには至らなかったが、今回は丸一日砂漠や街にまで雪が残ったとされている。
街の様子を捉えた写真も公開される
この様子を地上で捉えたのは、アマチュア・カメラマンのKarim Bouchetataさん。
彼は19日、「サハラ砂漠の玄関口」とも呼ばれるAin Sefraという街に滞在し、赤い色浮かべた砂漠に白い雪がうっすらと積もっている様子を撮影。それらを自身のフェイスブックに投稿した。
さらに彼の写真には、砂漠だけでなく、街のいたるところに雪の残っている姿が映っている。
3年前からの比較画像も公開
またNASAは、衛星のAquaやTerraに搭載された「MODIS(Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer:分光放射計」という機材で上空から撮影。今回の降雪も含め、この地域における過去の画像と比較した。
その画像では青色の部分が雪になるが、確かに3年前からのものに比べ、今回の映像ではかつてないほど広範囲に及んでいることが示されている。
ちなみにAquaは2013年1月にも、中央アジアの新疆ウィグル自治区にあるタクラマカン砂漠に雪が降った時の衛星画像も捉えているが、それらも含め今回の画像は貴重なデータとして残されていくに違いない。
出展元:NASA Earth Observatory:Rare Snow in the African Desert(12/22)
出展元:Response:タクラマカン砂漠に降雪(2013/1/7)