800匹の子を作り、種の絶滅を防いだガラパゴスのゾウガメがやっと引退
100才を超えるガラパゴス諸島のカメが、たった1匹で800もの子供を作り、種の絶滅を見事に防いだ。
捕獲され繁殖に励む
ディエゴという名の父親カメは、ガラパゴス諸島の中のエスパニョラ島に生息するエスパニョーラゾウガメ(Chelonoidis hoodensis)。年齢は定かでなく、100才とも130才とも報じられている。
ディエゴは他の15匹(14匹との報道も)のカメと共に、ガラパゴス諸島のサンタクルス島にある繁殖センターに連れて来られ、これまで雌カメたちを相手に繁殖に励んでいたが、その使命を完了し、今年3月、故郷エスパニョラ島に帰ることになった。
今から約50年前、ディエゴと同種のカメはエスパニョラ島に雄が3匹(2匹との報道も)、雌が12匹しか生存していなかった。しかも、島内で離れ離れになっていて、交尾の機会がなく、繁殖する見込みは少なかった。
そこで開始されたのが、カメたちを交尾しやすい環境に置いて繁殖を促そうという「捕獲繁殖プログラム」だった。ディエゴは、このプログラムが始まった1960年代中盤に、サンタクルス島に連れて来られた1匹だ。
ディエゴはそれまで、カリフォルニア州サンディエゴ動物園で飼育されており、それ以前はエスパニョラ島にいた。エスパニョラ島で捕獲されたのは20世紀前半のことだそう。ディエゴが故郷の島に帰るのは、ほぼ80年ぶりということになる。
800匹の子供
「捕獲繁殖プログラム」を推めるガラパゴス国立公園管理局(Parque Nacional Galápagos)によれば、ディエゴが作った子供は800匹。現在生息するエスパニョーラゾウガメの総個体数は約2000匹なので、その40%はディエゴの子供ということになる。管理局のディレクターであるJorge Carrion氏はこう話す。
我々はこれまで、プログラムで生まれた約1800匹のカメをエスパニョーラ島に送り返しました。島では自然な繁殖が進み、現在は約2000匹に増えています。これからは人の助けなしでも増え続けていくでしょう。
ディエゴは種の保存のために多大な貢献をしました。我々は、彼(ディエゴ)を本来の自然な環境の中に戻せることを嬉しく思っています。
(了)
出典元:The Guardian:Sex machine: prolific Galápagos tortoise saves his species(1/13)
出典元:Galapagos Conservancy:Forty-Year Captive Breeding Program for Española Tortoises Concludes(1/10)
出典元:PHYS ORG:Sexploits of Diego the Tortoise save Galapagos species(2016/9/14)
出典元:CBS:Diego the giant tortoise is retiring after his high sex drive helped save his entire species(1/14)
出典元:sunny skyz:A Proud Father! Galapagos Tortoise Set For Release After Saving His Species With 800 Offspring(1/13)
出典元:Mail Online:My work here is done! Diego the 100-year-old Galapagos tortoise is set for release after single-handedly saving his species by fathering 800 offspring(1/11)