パイナップルに仕込まれた火薬で死んだ妊娠中の母象、集まった追悼アートが悲しい
先月27日、火薬が仕込まれたパイナップルを食べた一頭のゾウが、お腹の中の子供と共に死んだ。その経緯が、インド・ケーララ州森林局のスタッフによってFacebookに書き込まれると、多くの人から、追悼の意をこめた悲しいアート作品が寄せられた。
害獣よけのパイナップル
火薬入りのパイナップルは、悪戯で置かれたものではなかった。ケーララ州森林局によれば、害獣よけのために火薬を詰めた食べ物を畑の周囲に置くということが、地元の農家では習慣的に行われているそうだ。その火薬は、日本で言う「かんしゃく玉」のようなもので、強い圧力がかかると爆発する。
27日に死んだゾウは、大量の「かんしゃく玉」入りパイナップルを、口の中で爆発させた。
森林局のMohan Krishnanさんは、Facebookにこう書いている。「パイナップルが口の中で爆発した時、彼女(ゾウ)はショックを受けただろうが、それは自分のことを心配してでなく、お腹の赤ちゃんのことを考えてのことだろう。彼女のお腹には、あと18〜20ヵ月で産まれるという赤ちゃんがいた」
「彼女」は、近隣の自然保護区域に暮らすゾウで、「人間を疑うことを知らないゾウだった」とKrishnanさんはいう。口の中を負傷した「彼女」は、痛みのあまり町中を駆け回ったようだ。Facebookにこうある。
「猛烈な痛みに耐えながら町の道を走っている時でさえ、彼女は一人の人間も傷つけなかった。人家を壊すようなこともなかった」
その後、ゾウはVelliyar川に入り、頭の下半分を水に浸けたままじっとしていたそうだ。KrishnanさんのFacebookや森林局のツイッターにその写真がある。
Article 51-A (g) of the Indian Constitution says that it shall be duty of every citizen of India to have compassion for living creatures. The pregnant elephant in pic was killed in human- wildlife conflict.Action has already been initiated. But where lies our duty? N humanity?? pic.twitter.com/V1ufNt3HfN
— Kerala Forest Department (@ForestKerala) June 3, 2020
森林局は「彼女」を救うため「飼いならされた2頭のゾウを連れて来て、川から誘い出そうとしたが、彼女は動かなかった」とKrishnanさんは海外メディアに話す。
その後ゾウは、水の中で立ったまま死んだ。
森林局はゾウの死体を火葬し、火薬入りのパイナップルに関する捜査を開始している。
SNS上の追悼
SNSには、「彼女」とその子の死を悼むユーザーから、イラスト作品が続々と投稿されている。
Death of humanity 💔#Elephant #EveryLifeMatters pic.twitter.com/J94GotFUSS
— Arvind Dharnia (@DharniaArvind) June 3, 2020
(了)
出典元:sky news:Pregnant elephant killed after eating pineapple filled with firecrackers(6/3)
出典元:boredpanda:Artists Pay Tribute To The Pregnant Elephant Who Died Due To Someone Stuffing A Pineapple With Fireworks(6/5)