カナダの川で数万匹のサケが大量死、その原因とは?
カナダの川で、サケが大量に死んでいるのが見つかり、SNSにもショッキングな動画が投稿されている。
サケは産卵前に死んでいた
その動画が撮影されたのは、ブリティッシュ・コロンビア州のHeiltsukテリトリー(準州)を流れる、Neekas川とされている。
そこでは川の水位が下がり、ピンクサーモンとシロザケの死骸が無数に横たわっていた。
This is Neekas, Heiltsuk Territory. All of these salmon went into the creek, the creek dried up b/c of no rain so far this fall, and just died, and this is just one reach! Global warming is killing everything. This is such a sad scene. Video credit, Sarah Mund pic.twitter.com/vYhEKwD5mN
— William Housty (@WilliamHousty) October 4, 2022
これらのサケは産卵前に死んだとされ、原因はブリティッシュ・コロンビア州で1カ月以上も続いている干ばつの影響と考えられている。
同州のHeiltsuk Nationという地域の保護管理者であるWilliam Housty氏は、次のように語っている。
「このような事態を目の当たりにして、ただただ呆然とするばかりです。川の水位はHeiltsukテリトリーだけでなく、どこもかしこも低くなっています。この干ばつは今、海岸全体に及んでいます。私たちは毎年、産卵前の(サケの)死を目にしていますが、これほどまでにとは…」
雨が誤ったシグナルを与えた可能性
この動画は、ドイツ人研究者のサラ・ムンド氏が先々週撮影したもので、スタッフは産卵のために戻ってくるサケの個体群の健康と大きさを測定するために、渓流散策に参加していたという。
そもそも野生のサケは通常、小川や川を遡上する合図として雨を待つ。これは水位が上昇し、母なる川への通路が確保されることを示すものとなる。
そして今年の9月下旬ごろに一度、雨が短時間に降り、水位(または潮位)が上昇したが、その後雨は降らず、川は干上がり、魚は取り残されたという。
Housty氏は、一度降った雨が、サケに遡上開始の誤った合図を与えた可能性があるとした上で、次のように述べている。
「この1ヵ月余りの間に、午後に1回しか雨が降っていないんです。雨と潮の流れがなければ、多くのサケが海で待機していたことでしょう。彼らはこの干ばつの現実に適応するのに十分な時間がなかったのです」
ある生物学者は、川の底には6万5000匹のサケの死骸があり、そのうちの70%以上が産卵に失敗したと推定している。(了)
出典元:The Guardian:Thousands of salmon found dead as Canada drought dries out river(10/5)