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AIで作られた薬、世界で初めて臨床試験において人間に使用へ

AIで作られた薬、世界で初めて臨床試験において人間に使用へ
AC

AIによって作られた薬が近い将来、世界で初めて臨床試験において、人間に使用されることとなった。

 

AIなら12カ月で臨床試験へ

 

その薬(新薬候補化合物)を開発したのは、イギリスのスタートアップ企業である「Exscientia」と、日本の「大日本住友製薬」だ。

 

この薬はAIによってデザインされ、認可されれば「強迫性障害」の患者に使われる予定だと言われている。

 

通常、薬の開発では臨床試験で使われるまでに約5年(平均4年半)はかかると言われているが、このAIで作られた薬(の探索研究)は12カ月未満しかかからないそうだ。「Exscientia」の最高経営責任者、Andrew Hopkins教授は次のように語っている。

 

「私たちは、患者を診断するため、または患者のデータやスキャンの結果を分析するものとしてAIを見ています。しかし今回は、薬を作り上げるのに直接、AIを使っているのです」

 

日本で治験を開始予定

 

この薬の分子「DSP-1181」は、有効な化合物を選り分けるアルゴリズムを使い、膨大なパラメーターのデータを通して、それらをチェックすることにより作られたという。

 

しかし正しい分子を見つけるのに必要とされる判断は数十億もあるため、正確にその薬を開発するのに莫大な判断が求められそうだ。

 

作られた薬は、まず日本において臨床試験のフェーズ1(治験で初めて人間に使用される段階)に入る予定で、もしここで成功すれば、世界的な試験段階に入ることになるとか。

 

また「Exscientia」はすでに、ガンや循環器疾患に有効な薬の開発作業に入っており、今年の末までにはもう1つの分子を使い、治験の準備が整うことを望んでいるという。Hopkins教授は次のように語っている。

 

「今年は、AIによってデザインされた薬ができる最初の年になります。しかし10年後の終わりまでには、全ての新しい薬がAIによって作られているでしょう」(了)

 

 

出典元:BBC:Artificial intelligence-created medicine to be used on humans for first time(1/30)

出典元:大日本住友製薬 Exscientia:大日本住友製薬と Exscientia Ltd.の共同研究 人工知能(AI)を活用して創製された新薬候補化合物のフェーズ 1 試験を開始 (1/30) PDF

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