香港で民主派活動家45人に有罪判決、多くの国々が批判
香港の高等法院で11月19日、民主派活動家に対する裁判が開かれ、45人に有罪判決が下された。
香港政府の転覆をはかろうとした容疑
47人の民主派活動家は2020年、選挙で過半数を獲得しようとし、香港政府の転覆をはかろうとした容疑がかけられ、国家安全法の下で起訴されたという。
19日に高等法院で開かれた裁判では、彼らが政府の予算案を拒否し、香港の行政長官の解任や議会の解散を画策したと指摘されたそうだ。
47人のうちすでに31人が、転覆を企てた罪を認めており、14人が長期の裁判の結果、有罪判決を受け、2人が無罪とされた。
この裁判は、国家安全法違反の事件としては最大規模で、被告には香港大元准教授ら4人や、知名度の高い民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏も含まれていたという。
有罪となった被告らには、最長で10年の刑(黄之鋒氏は4年8カ月)が言い渡されたが、この裁判に対しては、多くの国から批判が寄せられた。
豪・英、EU、台湾なども批判
オーストラリアのペニー・ウォン外相は、オーストラリア国籍のGordon Ng氏や他の活動家に対する判決に対して、「重大な懸念を抱いている」と表明。そもそもオーストラリアは「国家安全法」の広範な適用について、強い抗議を表明してきたという。
イギリス外務省のインド太平洋担当大臣、キャサリン・ウェスト氏も、今回の判決が政治的反対意見を犯罪とみなすために、国家安全法が利用されているとし、「本日判決を受けた人々は、言論、集会、政治参加の自由の権利を行使していただけだ」と批判した。
欧州連合(EU)も今回の判決を、香港の基本的自由、民主的参加、多元主義に対する「前例のない新たな打撃」と呼び、被告らの活動は、基本的な民主主義の原則を尊重するいかなる政治体制においても合法であるべきだと批判した。
台湾総統府の報道官も「民主主義は犯罪ではない」とし、中国政府が香港の民主派の政治参加と言論の自由を抑圧するために不当な手続きをとったと非難。「今回の判決は『50年間変わらない』『高度な自治』という約束を破っただけでなく、『一国二制度』が実現不可能であることをさらに証明している」と述べた。
一方、香港の行政長官であるジョン・リー氏は、「活動家らの計画は香港の政治体制を弱体化、破壊、転覆することだった」と主張。中国外務省の報道官も「民主主義を口実に違法行為に手を染め、司法を逃れることは誰にも許されない」と判決を擁護した。(了)
出典元:ABC News:Foreign governments criticize Hong Kong’s sentencing of 45 activists. Beijing defends it(11/19)