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トランプ氏、大統領に再選されたら「議事堂襲撃事件」の犯人に恩赦を与えると発言

トランプ氏、大統領に再選されたら「議事堂襲撃事件」の犯人に恩赦を与えると発言
Wikimedia Commons/Gage Skidmore

ドナルド・トランプ前大統領が、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件で有罪になった人間を恩赦すると発言した。そのことに関しABC Newsは、どのように伝えているのだろうか。

 

「事件を最小限に抑えようとする試み」

 

ABC Newsによると、トランプ氏は1月29日にテキサス州の街、Conroeで開かれた集会で次のように述べたという。

 

「もし私が(2024年の大統領選に)立候補して勝てば、1月6日(の連邦議会議事堂襲撃事件)に関与した人々を公平に扱うつもりだ。そして、もしそれが恩赦を必要とするならば、我々は彼らに恩赦を与えるだろう」

 

この発言について、ABC Newsは「この申し出は、1812年の南北戦争以来、政府の中枢に対する最も重大な攻撃を、さらに最小限に抑えようとするトランプによる試みである」と伝えている。

 

司法省史上、最大の捜査

 

連邦議会議事堂襲撃事件に関与した犯罪者たちは、窓ガラスを突き破り、警察官に暴行を加え、平和的な政権移行と、ジョー・バイデン氏が大統領選に勝利したとの認定を阻止しようとしたという。

 

この暴動に関連しては700人以上が連邦犯罪で逮捕・起訴され、司法省史上、最大の捜査が行われている。

 

警察官への暴行で150人以上、共謀罪で50人以上が起訴され、極右民兵組織「オース・キーパーズ」の創設者とリーダー、その他メンバーや関係者10人にも、扇動的共謀罪の容疑がかけられているそうだ。

 

襲撃をやめさせようともしなかった

 

2021年1月6日、トランプ氏は、ホワイトハウス付近で「Stop the Steal(票を盗むのをやめろ)」集会で、バイデン氏が大規模な有権者詐欺で当選したと虚偽の主張を展開。

 

自分の支持者を扇動し、バイデン氏の大統領認定を阻止させるため、連邦議会議事堂に向かわせた。しかしこの時、トランプ氏本人は同行しなかった。

 

やがてトランプ支持者たちは議事堂を襲撃。当時、長男のトランプ・Jr氏や側近らは、この襲撃をやめさせようと懇願したが、トランプ氏は聞く耳を持たず、人々に襲撃をやめるよう訴えることもしなかったという

 

これにより100人以上の警察官が負傷。中には重体となった者もおり、PTSDで自殺した警察官を含む5人が死亡している。

 

「支持することは、ありえない」

 

トランプ氏は昨年、この暴動を煽ったとして下院で弾劾されたが、上院では無罪となり、その後も議事堂襲撃事件に参加した犯罪者を称賛しつづけている。テレビのインタビューでも「そこ(集会)には、国を愛する人々との友情や多くの愛があった」などと述べているそうだ。

 

上院での弾劾裁判では、共和党の7人の上院議員がトランプ氏の有罪を支持したが、そのうちの1人であるメイン州選出のスーザン・コリンズ上院議員は、今回のトランプ氏の「恩赦発言」について、次のように述べたという。

 

「2024年に立候補しても彼(トランプ氏)を支持することは、とてもありえないだろう。1月6日は我々の歴史の中で暗黒の日でした。司法手続きに任せるべきです」

 

またサウスカロライナ州選出のリンゼイ・グラハム上院議員も、トランプ氏の「恩赦発言」について、議事堂を汚してもいいという間違ったメッセージを送っていると切り捨てた。

 

襲撃事件に参加した犯罪者に対しても「彼らが刑務所に入り、本を投げつけられることを望む、彼らはそれに値するからだ」と述べている。(了)

 

※弾劾裁判での議論は、BBCで詳しく説明されている。

 

出典元:ABC News:Trump dangles prospect of pardons for Jan. 6 defendants(1/31)

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