日本の支援で橋が架かった!南スーダンから寄せられる感謝の声
5月19日、南スーダンを流れる白ナイル川に、国として初めての正式な橋が架かった。そして日本には、多くの感謝の声が寄せられている。その理由はなぜだろうか。
日本の支援で実現
2011年に独立した後、内戦が続いていた南スーダン。2018年2月にはユニセフが「人口の3分の2が飢餓の恐れ」と訴えた貧しい国だ。
ナイル川の支流である白ナイル川に架かる橋の建設は、2012年から計画がスタートしていたが、内戦や新型コロナウィルスの流行により3度にわたって中止されてきた。10年がかりで橋が完成した背景には、日本の支援があったという。
無償資金協力によるナイル架橋建設プロジェクトに関わったのは、独立行政法人国際協力機構(JICA)、大日本土木株式会社、建設技研インターナショナルだ。現地の現場スタッフや政府関係者とともに、今回のプロジェクトを完遂させた。
フリーダム・ブリッジと名付けられた橋
これまでは50年前につくられた仮設の橋を使用しており、崩落の危険性もあったという。今回のプロジェクトの実現により、隣国のウガンダやケニアからの国際物流の円滑化、首都ジュバの交通渋滞の解消、治安・安全の確保につながるのではないかと期待されている。
JICAによると、このプロジェクトでは、現地の職員への技術面や規律、安全に対する人材教育にも力を入れてきたという。日本式に朝礼やラジオ体操も行われていたそうだ。
日本への感謝の声が上がっている
開通式では、南スーダンのキール大統領により「この橋は日本の人々と南スーダンとの長く続く友情の証となる」「あなたの国はそれ(友情)に条件を付けない数少ない国のひとつです。この開発支援に感謝しています」との日本への感謝の言葉が語られた。
また、ジュバのニュースサイト「Hot in Juba」は、「フリーダム・ブリッジ:日本国民から南スーダンへの9100万ドルの贈り物。寛大な日本の人々へコメントを送ろう」と投稿した。
この投稿のコメント欄を見てみると、「辛い時の友人は本当の友人」、「日本最高」などのストレートな喜びの声もあるが、多いのは「日本は私たちからもっと感謝されてもいい。失敗したスーダン人民解放運動からじゃなくてね」、「日本はとても正直で寛大だ。欲深い南スーダンの政治家は悔い改めたほうが良い」、「日本政府による素晴らしい仕事だ。私たちの政府は私たちに何もしてくれないのに」、「ありがとう、日本の人々。うちの政府とは違って南スーダンの人々を気にかけてくれている」などの自国の政府批判を込めた感謝の声だ。
自国の政府には納得がいかなくても、日本の支援を喜んでくれているようだ。(了)
参考:News Central Africa「South Sudan Gets First Permanent Bridge Over Nile」(5/20)
参考:JICA「南スーダンの悲願だった平和と自由の象徴「フリーダム・ブリッジ」が完成」(5/20)
参考:株式会社建設技研インターナショナル「南スーダン国ナイル架橋建設事業が完工しました」(5/27)