「ロシアに屈辱を与えるな」仏・マクロン大統領の発言にウクライナが反発
フランスのマクロン大統領は、ある発言を行い、ウクライナの外相などからの反発を招いた。
停戦と交渉を仲介しようとしてきた
そもそもマクロン大統領はこれまで、ウクライナでの停戦と交渉を仲介するために、ロシアのプーチン大統領と何度も電話で会談をしてきたという。
ただしロシアの指導者との対話を維持しようとするフランスの試みは、アメリカやイギリスの立場とは対照的だと言われている。
そして先日、マクロン大統領は今回の戦争に関して「ロシアに屈辱を与えないことが重要だ」と述べたという。また「プーチン大統領が根本的な間違いから抜け出すことが重要だ」とも主張したそうだ。
ウクライナの外相が批判
しかしこれに対して、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、マクロン大統領を批判。
「同盟国は、どのようにしてロシアを、自ら恥をかかせるような立場に追い込むかに、より焦点の当てるべきだ」と述べた。
さらにツイートでも「ロシアに屈辱を与えることを避けるための呼びかけは、フランスと、それを呼びかける他のすべての国に屈辱を与えるだけだ」と投稿したという。
「プーチンは根本的な誤りを犯した」
もっともマクロン大統領も、ウクライナへの侵略行為について、ロシア側を擁護しているわけではない。
この発言の前にも、マクロン大統領はフランスの地方メディアに対し、ロシアの指導者が「自分自身を孤立させた」とした上で、次のように述べたという。
「私は、彼(プーチン大統領)が国民にとっても、自分自身にとっても、歴史にとっても、歴史的かつ根本的な誤りを犯したと思うし、彼にもそう言った。孤立することもそうだが、そこから抜け出せるかどうかは難しい道だ」
イタリアのマリオ・ドラギ首相もマクロン大統領に同調し、ヨーロッパは「信頼できる(停戦)交渉」を望んでいることを示唆した。(了)
出典元:BBC:Ukraine anger as Macron says ‘Don’t humiliate Russia’(6/4)