EU委員長がウクライナへ武器を供給するよう呼びかけ、ドイツも支援を発表
欧州委員会の委員長は9月14日、EU加盟国に対し、ウクライナへの武器供与を履行するよう訴えた。
6カ月経っても武器が届いていない
ウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ドイツに対する非難を込めて、ウクライナの武器供与に関する公約を履行していないEU加盟国に対し、次のように述べたという。
「すべての加盟国に対し、ウクライナの自衛に必要な軍事装備を支援することが、絶対に必要であり、不可欠です。彼らは、十分な装備があれば、それが可能であることを証明しています。これは全ての加盟国に対する勧告です」
ロシア軍がウクライナに侵攻した時、ドイツのオラフ・ショルツ首相は、防衛費を増額し、殺傷能力の高い兵器の輸出について180度方針を転換することを発表して、世界に衝撃を与えた。
その後、ショルツ首相はウクライナを守るために、ミサイルや対戦車兵器を送ることを約束した。しかし、6カ月経った今でも、多くの必要な兵器がウクライナに届いていない。
「ゲパルト」やロケットシステムを供与
この勧告を受けてか、ドイツ政府は14日、ウクライナに自走対空砲「ゲパルト」4基をウクライナに供与すると発表。
またドイツのクリスティーヌ・ランブレヒト防衛大臣は、2基の「マーズII」ロケット発射システム、200個のミサイル、50台の装甲車「ディンゴ」を提供すると語ったという。
さらにソ連製の歩兵戦闘車「BMP-1」も、ギリシャからウクライナに「非常に早く」送られるだろうと述べた。
今回も「戦車」が含まれず
ウクライナは以前から、ドイツ製の装甲車「マーダー(Marder)」と戦車「レオパルド」を何度も要求しているが、今回ドイツが供与を約束した装備には、どちらも含まれていない。
そもそもドイツは、武器供与について「単独で行う」ことはないと主張しており、ランブレヒト防衛大臣も、他の同盟国もウクライナに西側製の戦車を供与していないと指摘している。
ただウクライナのドミトリー・クレバ外相は、ドイツが戦車の提供を拒否していることを批判し、「なぜこれらの兵器が提供できないのか、合理的な議論は一つもない」と述べたという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: EU says supply of weapons to Ukraine ‘absolutely vital’; missile strikes Zelenskiy’s home town – as it happened(9/15)