ガイアナ共和国が、奴隷商人の子孫に賠償金を要求
南米のガイアナ共和国の大統領が、奴隷商人の子孫に賠償金を求めている。
「人類そのものへの冒涜」
ガイアナのイルファーン・アリ大統領(43)は先日、大西洋にまたがる奴隷貿易と、アフリカ人奴隷化に関与した人々を、人道に対する罪で死後告発するよう要求した。
またヨーロッパの奴隷商人の子孫に対し、歴史的過ちを正すために賠償金を支払うよう要求、次のように語った。
「賠償金とは、歴史的な過ちを正すための約束だ。大西洋にまたがる奴隷貿易とアフリカ人の奴隷化は、人類そのものへの冒涜だった。人類に対するこの犯罪の凶悪さは、私たちがこれらの過ちを正すことを求めているのです」
奴隷商人のジョン・グラッドストーン
またアリ大統領は、かつて奴隷貿易に携わっていたイギリス人のジョン・グラッドストーン氏について言及。その子孫に対して、次のように述べた。
「ジョン・グラッドストーンの子孫は、カリコム(カリブ共同体)の計画、奴隷制と年季奉公に対する賠償の計画に沿って、概要を示さなければならない」
ジョン・グラッドストーンの子孫6名は、奴隷制廃止から200年を記念する式典に出席するために、8月24日にガイアナ共和国に到着したという。
そして25日には、ガイアナ大学で行われる短い式典に参加し、過去の奴隷貿易について謝罪したそうだ。
アリ大統領は、グラッドストーン氏の家族からの謝罪を歓迎し、「ガイアナにおけるアフリカ人奴隷制と年季奉公の残酷な性質を認め、正義への道を開く悔恨の行為だ」と評価したという。
また式典には他に、元BBCジャーナリストのローラ・トレヴェリアン氏も出席。彼女の先祖はカリブ海東部の島で何百人もの奴隷を所有していたため、今年初め、グレナダに住む奴隷にされた人々の子孫に謝罪したそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Guyana’s president asks European slave traders’ descendants to pay reparations(8/25)