NASAが探査機のデータを元に冥王星の映像を作成、地表の詳細が明らかに
NASAが探査機からの情報を元に、初めて冥王星などの姿を詳しく表した動画を作成し、7月14日に公開した。
探査機のデータを元に映像を作成
NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」はこれまで冥王星に最接近して、数多くのデータを収集し、地球に届けてきたという。
そして今回NASAはそのデータとデジタル標高モデルを使い、冥王星と衛星「カロン」の表面を再現。異様なクレーターや穴の開いた山などの姿を動画で表した。
平原や高地、大きなクレーターなどが出現
冥王星の映像では上空から地表を表しており、移動するに従い、複雑な地形が見えてくる。
最初に現れるのは窒素の氷で覆われた、「スプートニク平原(非公式名:以下同)」と呼ばれる場所。その後はクレーターが点在する場面が現れる。
やがて映像はそのエリアの西の境界を越えて、「クトゥルフ岩原」の暗い地形に点在する大きなクレーターへと近づいていく。
さらに進むと「ボイジャー平原」に広がる高地や、「パイオニア平原」にある深い穴も姿を現すという。
最も大きな衛星「カロン」の地表も詳細に
最も大きな衛星「カロン」の映像にも、冥王星と同じように上空から見た景色が映っている。
まずは「セレニティ・カズマ」と呼ばれている赤道部の広大な裂け目を通過し、その後北へ移動。
「ドロシーゲール・クレーター」や、「モルドール岩原」という極にある薄暗い部分を通り、再び南へ。「オズ・テラ」と呼ばれる風景が映し出されるそうだ。
いくぶんクレーターの数は少ないが、やはり表面はごつごつとし、荒涼とした景色が映し出されていく。
これらの動画は高さを2、3倍誇張しているが、地表の色は細かく画像処理されているという。
2015年には探査機が冥王星に最接近
冥王星は海王星の外側に位置している準惑星で、太陽から平均54億kmも離れているという。
探査機「ニュー・ホライズンズ」は、アトラスVロケットに載せられ2006年に打ち上げられ、冥王星へ向けた長い旅に出発した。
やがて2015年には接近に成功。1月には観測を初め、2月には冥王星の探査を開始、画像も含む数多くのデータを収集し、2016年には地球へ全データを送り届けたとされている。
そして現在は冥王星を過ぎ、太陽系外縁にある目標に向かって移動し続けており、2019年には到達する予定とされている。
そこでどんな情報を収集するのか、今後も活躍に期待したい。(了)
下は「冥王星」の動画。
こちらは衛星「カロン」の動画。
出典元:MailOnline:Fly over the surface of Pluto in stunning NASA video as New Horizons maps reveal the planet’s surface in unprecedented detail a year after historic flyby(7/14)