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ノートルダム大聖堂で発見された棺、科学者が謎を解明か?

ノートルダム大聖堂で発見された棺、科学者が謎を解明か?
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フランス・パリにあるノートルダム大聖堂で以前、謎の棺が発見され、その調査が進められた。

 

使われた鉛から地位の高い人物

 

その棺は2022年にノートルダム大聖堂の発掘調査の際、身廊の下から発見されたという。

 

棺は2つあり、いずれも鉛でできていたことから、科学者たちはその重要性に注目。調査を進めてきたそうだ。

 

そもそも鉛は、湿気を遮断し、遺体の腐敗をある程度防ぐことから、長い間エリート層の埋葬に使われており、2022年に亡くなったイギリスのエリザベス2世の棺の裏地にも、使用されたと言われている。

 

このことから研究者らは、大聖堂に埋葬されていた人も、フランス社会における地位の高い人物だったと結論づけた。

 

謎のままだった2つ目の棺

 

研究者らは、棺の1つに刻まれた碑文から、そこに納められた人物が、1710年に83歳で亡くなった高僧、アントワーヌ・ド・ラ・ポルト(Antoine de la Porte)であると特定したという。

 

ただし、もう1つの棺に納められていた人物については、30代の男性だったこと、また骨格に奇形の痕跡があったこと以外、ほとんど分かっていなかったそうだ。

 

しかし2年に渡る調査の結果、研究者らはこの人物が、1560年に亡くなったルネサンス期の著名な詩人、ジョアシャン・デュ・ベレー(Joachim du Bellay)である可能性を見出した。

 

生涯、健康状態が悪かった詩人

 

デュ・ベレーは乗馬の名手だったが、生涯にわたって健康状態が悪く、棺に納められていた遺体にも、骨結核(間接に結核が感染した病気)による慢性髄膜炎の兆候が見られたという。

 

また彼はフランス枢機卿の親戚で、後に聖職者となり、ローマの枢機卿の秘書も務めたそうだ。

 

そしてデュ・ベレーは37歳で死亡した後、その亡骸はノートルダムのサン・クレパン礼拝堂に埋葬されたと言われている。

 

しかし1758年に行われた発掘では、そこからデュ・ベレーの骨は発見されなかったという。

 

もっとも研究者の中には、今回の結論に疑問を抱く者がいるようだが、この調査で発見された証拠には、説得力があるとの見方もあるそうだ。(了)

 

出典元:Smithsonian Magazine:Archaeologists Say They’ve Solved the Mystery of a Lead Coffin Discovered Beneath Notre-Dame(9/18)

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