人類を太陽系外惑星へ運ぶ宇宙船はこうなる?デザインの最優秀作品を発表

先日、次世代型の宇宙船のデザインを競うコンテストが行われ、最優秀作品が発表された。
架空の宇宙船のコンテスト
そのコンテストとは、「Project Hyperion Design Competition」と呼ばれ、7月23日に開催されたという。
これは長期の恒星間旅行を可能にし、何世紀にもわたって社会を維持できる、架空の宇宙船を設計するエンジニアたちのコンテストとされている。
そして審査の結果、「クリサリス(Chrysalis)」と呼ばれる宇宙船のデザインが、最優秀に選ばれた。「クリサリス」を設計したチームは、次のように述べている。
「クリサリスは、人間、ロボット、そして人工知能(AI)エージェントが情報、経験、そして意思決定プロセスを共有する、生きた宇宙船です。私たちの設計の中核は、帰属意識と恒星間ミッションへのモチベーションです」
2400人を40兆km離れた星へ運ぶ
「クリサリス」は、2400人を40兆kmも離れた太陽系外惑星「プロキシマ・ケンタウリb」まで輸送できるようデザインされたという。
しかもこの星までは片道だけで、なんと400年もかかるとされ、この宇宙船内で何世代もの人々が暮らしていく設計になっているそうだ。
無論、この計画はあくまで仮説に基づくもので、架空のデザインに過ぎない。とはいえ、単なるデザインだけではなく、細部の設定まで評価対象になっている。審査員らは、次のように評価している。
「クリサリスは、システムレベルの一貫性とモジュール式居住構造の革新的な設計に加え、宇宙での製造や、南極でのミッション前の乗組員準備の価値など、全体的なディテールの深さで審査員を驚かせました。モジュール式のシェル設計は柔軟性と接続性を促進し、機能性と拡張性の両方をサポートします。巨大なドーム構造は、SFの古典を彷彿とさせるドラマチックで映画的な質感を加え、建築だけでなく船体の建造方法も網羅したシステムレベルの全体計画は、特に強力です。放射線防護戦略は堅実で、実用的な構造アプローチも適切です。文化システムはさらに発展させる余地があるものの、このコンセプトは魅力的な出発点を提供します」
遠い将来、人類が新しい太陽系外惑星を目指す時、このような宇宙船に乗り込むことになるのかもしれない。(了)
出典元:Livescience:Would you board a spacecraft that takes 400 years to reach Alpha Centauri?(8/14)