Switch news

知っておきたい世界のニュース

大きな目と鋭い歯、ちょっと可愛い古代のクジラを新種と特定

大きな目と鋭い歯、ちょっと可愛い古代のクジラを新種と特定
Ruairidh Duncan

オーストラリアで以前、古代のクジラの化石が発見され、分析の結果、新種だと特定された。

 

約2600万年前に生息

 

研究者たちは、オーストラリア南東部の海岸で発見された頭蓋骨片から、この化石が古代のクジラの新種だと特定。8月12日に「Zoological Journal of the Linnean Society」誌において、研究結果を発表した。

 

研究によれば、新たに発見されたクジラは約2600万年前に生息していたとされ、「Janjucetus dullardi」と名付けられたという。

 

「J. dullardi」は、プランクトンや小魚などを海水ごと飲み込み、鯨ひげで漉して食べる「ヒゲクジラ」類の最も古い近縁種と1つと考えられている。

 

しかしシロナガスクジラのような現代の「ヒゲクジラ」とは異なり、遥かに小型で、スピードを出すためにコンパクトな体格をしていたそうだ。

 

今回、発見された化石は、「J. dullardi」の幼体または亜成体と考えられ、体長は約2.1mしかなかったという。

 

しかも大きな目と、鋭く切り裂くような歯がびっしり並んでいたとされ、小さくて一見かわいらしいが、獲物を追い、捕食していたと考えられている。

 

発見者の名前に因み命名

 

「J. dullardi」は、漸新世(3390万年前から2300万年前)に、オーストラリアとニュージーランド沖の暖かく浅い海域に生息していたと考えられている。

 

またこの化石を最初に発見したのは、学校の校長であるRoss Dullard氏で、彼は2019年にメルボルン近郊のハーフムーンベイの海岸を散歩中に見つけたという。

 

その後、Dullard氏は、化石をビクトリア博物館に寄贈。研究者たちは、写真やマイクロCTスキャンなどの技術を用いて、保存された歯や内耳の構造を含む、化石の詳細な分析を行った。

 

その後、研究チームは、「J. dullardi」がこれまで知られていなかった種であると推定し、Dullard氏に因んで命名したという。

 

ちなみに、研究者たちがこのクジラを若い個体だと特定できた理由の1つは、歯の摩耗がほとんど見られなかったこととされている。(了)

 

出典元:Livescience:Ancient predatory whale with big eyes and razor-sharp teeth was ‘deceptively cute’(8/14)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top