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コロンブスが持ち込んだのではない?南米で5500年前の人骨から梅毒の菌を発見

コロンブスが持ち込んだのではない?南米で5500年前の人骨から梅毒の菌を発見
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南米のコロンビアで発見された人骨から、梅毒を引き起こす菌が発見され、以前からアメリカ大陸に存在していたことが示された。

 

最も古い「梅毒トレポネーマ」のゲノム

 

そもそも研究者たちは、梅毒やいくつかの皮膚感染症を発症させる細菌「梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)」の起源や蔓延について、何世紀にもわたって議論してきたという。

 

そして梅毒の流行が、15世紀のヨーロッパで起きたため、初期の説では、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に梅毒を持ち込んだ、またはアメリカ大陸の先住民がコロンブスとその乗組員に梅毒を感染させたと考えられてきたそうだ。

 

しかし1月22日(木)に科学誌「サイエンス」に掲載された研究論文の中で、研究者らは5500年前にコロンビアに埋葬された中年の狩猟採集民の骨格から、これまでで最も古い「梅毒トレポネーマ」のゲノムを抽出したと明らかにした。

 

約1万3700年前に現在の系統から分岐か

 

研究者たちは、新しい「梅毒トレポネーマ」のゲノムを「TE1-3」と名付け、調査する中で、これが今までに確認されている「梅毒トレポネーマ」の他の亜種とは、異なる系統であることを発見した。

 

またゲノム間の差異を統計的に解析した結果、「TE1-3」が約1万3700年前に、現在の系統から分岐したと推定されたそうだ。

 

このことから、「梅毒トレポネーマ」がアメリカ大陸で蔓延し始めたのは、これまで考えていたよりも数千年も前であったことが示唆された。

 

性的感染を引き起こしていたかは不明

 

ただし今回のゲノム解析では、「TE1-3」のような初期のトレポネーマ系統が、梅毒のように性的感染を引き起こしていたかどうかは、明らかになっていない。

 

実際、この地域にある他の骨格には、明らかな病変が見られたものの、今回の5500年前の「梅毒トレポネーマ」が存在した骨格には、明らかな病変が見られなかったという。

 

アメリカ・テキサス州にあるサザンメソジスト大学の分子人類学者で、本研究の共著者であるエリザベス・ネルソン氏は、声明で次のように述べている。

 

「今回のゲノム解析の結果と合わせて、この疾患症候群自体の起源に関する長年の議論に決着をつけることはできませんが、トレポネーマ病原体の長い進化の歴史が、これまで考えられていたより数千年も前に、アメリカ大陸で既に多様化していたことを示しています」

 

実は最近の他の研究でも、南米のチリで西暦1000年頃に埋葬された人物と、ブラジルで紀元前350年から西暦570年の間に埋葬された複数の人物から、「梅毒トレポネーマ」が確認されているという。(了)

 

出典元:Livescience:5,500-year-old human skeleton discovered in Colombia holds the oldest evidence yet that syphilis came from the Americas(1/22)

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