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翼の中に客席があるV字型旅客機のプロトタイプ、初めての試験飛行に成功

翼の中に客席があるV字型旅客機のプロトタイプ、初めての試験飛行に成功
YouTube/ TU Delft

KLMオランダ航空がデルフト工科大学と共同開発する未来の旅客機「Flying-V(フライング V)」。そのプロトタイプが、初のテスト飛行に成功した。

 

V字型の大型旅客機

 

「Flying-V」は、その名が示す通りV字型をした飛行機だ。この形状にすることで空気抵抗を大幅に減らすことができ、従来の航空機と比べて、燃料消費が20%少なくなるとのこと。

 

今回行われたテストで用いられたのは、幅3メートル、重量22.5キログラムのスケールモデル。実際のサイズの20分の1だ。

 

これまで地上でのシミュレーションや風洞実験などが繰り返されてきたが、実際に空を飛ぶのはこれが初めて。遠隔操作されたV字型の機体は問題なく離陸し、空中で様々な飛行パターンを描いた後、無事に着陸した。

 

TU Delft

 

開発プロジェクトのリーダーであるデルフト工科大学のRoelof Vos教授は、テスト飛行の後で海外メディアにこう話している。

 

「離陸時に問題が起こるのではないかと、我々は心配していました。開発の途中段階で、機体の横揺れが起こりそうだという計算結果が出ていたからです。そうならないように、できる限りの調整はしましたが、何事も実際にやってみないと分かりませんからね」

 

離陸に難はなかったものの、飛行時や着陸時のデータを解析すると、一般機より「ダッチロール」と呼ばれる独特の揺れを起こしやすいことが判明した。こうなると乗り心地が悪いだけでなく、スムーズな着陸も難しい。今後「ダッチロール」をどう解消するかが課題だ、とVos教授は言う。

 

314の客席が主翼の中

 

現在、プロトタイプによる実験と同時に、実機生産の計画も進められている。その設計図によれば、完成した「Flying-V」の幅(主翼の端から端まで)は約65メートル、長さ約54メートル。客席数は314で、その全てが左右の主翼の中に配置される。

 

TU Delft

 

動力は一般的なジェットエンジンであるターボファンエンジンだが、燃料は原油から作られるジェット燃料でなく、液体水素が使われるらしい。(了)

 

出典元:TU Delft:Successful maiden flight for the TU Delft Flying-V(9/1)

出典元:Mail Online:Prototype of the ‘Flying-V’ plane built by KLM that burns 20% less fuel than traditional aircraft takes to the skies for the first time(9/7)

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