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オックスフォード大の新型コロナ・ワクチン、誤って半分の投与量にしたところ90%の有効性を確認

オックスフォード大の新型コロナ・ワクチン、誤って半分の投与量にしたところ90%の有効性を確認
flickr_Governor Tom Wolf

イギリスのオックスフォード大学と、製薬会社「アストラゼネカ」が臨床試験を行っている新型コロナウイルスのワクチン。

 

これに関し、半分の投与量の場合、感染を防ぐ有効性が約90%だったと発表された。

 

最初の投与量を半分に減らした場合

 

科学者らは11月23日、臨床試験を進めている新型コロナのワクチンの有効性が、約70%だと発表した。

 

しかしその後、ワクチンの投与量を1回目は半分に減らし、2回目に全量を投与された被験者の場合、感染を防ぐ有効性が約90%だったと発表した。

 

「アストラゼネカ」のMene Pangalos氏は、臨床試験においてワクチンの投与量を半分にしたのは、「偶然の幸運」だったと語っている。

 

副作用が軽度であることから気づく

 

オックスフォード大学の研究者は、新型コロナ・ワクチンを今年の4月末から、被験者に投与をしてきたという。

 

その後、被験者の中には、疲労や頭痛、腕の痛みなど副作用が出たが、これらが予想していたよりも軽度だったとことに気づく。

 

そこでデータをチェックしてみたところ、被験者に対するワクチンの投与量が、誤って半分になっていたことが明らかになる。

 

3000人に半分投与を実施

 

そのため研究者は、中断されていた臨床試験を再開させる代わりに、ワクチンの半分の量を被験者に投与する試みを継続。

 

約3000人の被験者に対し最初に半分の量を投与し、その4週間後に全量投与を行った。すると新型コロナウイルスの感染を予防する有効性が、約90%になったそうだ。

 

一方、大規模に治験を行っていたグループでは、全量投与を2回、4週間空けて行ったところ、そのグループでのワクチンの有効性は62%だったとか。(平均の有効性が70%)

 

理由はまだ分かっていない

 

科学者たちは、なぜワクチンの半分の量の方が有効だったのか、理由についてはまだ説明しきれていない。

 

ただ免疫系が異なって誘発された可能性があるという。今回の研究に携わったオックスフォード大学のSarah Gilbert教授は次のように語っている。

 

「少量のワクチンを最初に与え、大量のワクチンを投与することで、免疫システムを作動させ、最も強力な免疫反応と最も効果的な免疫反応を与えることができる可能性があります」

 

さらにオックスフォード・ワクチングループのAndrew Pollard教授も「現時点で私たちが分かっていないのは、その違いが免疫反応の質と量のどちらにあるのかということです。 そして、それは私たちが今後数週間にわたって掘り下げていくことなのです」と語っている。

 

今回の臨床試験で、ワクチン投与を受けた被験者のうち重症化した患者はおらず、入院した被験者はいなかったという。また有効性90%のグループの被験者が比較的若く、55歳以下だったのに対し、全量投与の被験者には55歳を超える人も含まれていたとも言われている。(了)

 

 

出典元:The Guardian:Oxford Covid vaccine hit 90% success rate thanks to dosing error(11/23)

出典元:METRO:Oxford Covid vaccine hit 90% success rate thanks to a mistake in trials(11/24)

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