「ノババックス」の新型コロナワクチン、有効性は96%、南ア型では55%に低下
アメリカのメリーランド州にあるバイオテック企業「ノババックス(Novavax)」。この企業が開発した新型コロナワクチンの、臨床試験に関する結果が発表された。
最終の臨床試験の結果
「ノババックス」は3月11日、開発した新型コロナワクチンの最終治験の結果を発表。
中国の武漢で発生したオリジナルの新型コロナウイルスに対して、高い効果があると明らかにした。
この研究結果はまだ査読されておらず、正式に発表もされていないが、「ノババックス」によれば、オリジナルのウイルスに対しては、軽症から中等症、重症化を防ぐ効果は96%になったという。
今回の結果は、1月に発表された中間報告でも裏付けているそうだ。
Novavax and @TakedaPharma Finalize License Agreement for Novavax’ COVID-19 Vaccine Candidate in Japan; Takeda Initiates Phase 1/2 Trial in Japan https://t.co/wXFK7ixzBI pic.twitter.com/srWrN70yjJ
— Novavax (@Novavax) February 26, 2021
英・南アともに変異株では効果が落ちる
しかしイギリスで最初に特定された変異株「B.1.1.7」に対しては、効果が86%と低下。オリジナルとイギリスの変異株を合わせた全体では、有効性が約90%になったという。
一方、「B. 1.351」と呼ばれる変異株が蔓延している南アフリカでは、HIVに感染していない被験者のCOVID-19のすべての症例に対して、効果が55%になった。HIVに感染した人を含めると、効果が49%に低下したそうだ。
ただし、重症化を防ぐという点では、これらの変異株を含んでも、効果は100%あったと報告している。つまり、軽度の症状を防ぐ能力が損なわれたとしても、変異株によって引き起こされる重篤な病気から完全に保護されることになるという。
「ノババックス」の研究開発責任者であるGregory Glenn氏は、次のように述べている。
「これに対する私たちの見解は、非常に良い結果だということです。すべての病気を予防することが理想的かもしれませんが、重度の病気を予防することが大切です」
また「ノババックス」のデータでは、まだ予備的な調査の段階ではあるが、一度感染した人でも、再感染の保護効果が遅れる可能性があると示されたそうだ。(了)
出典元:The Seattle Times:Novavax coronavirus vaccine completely prevents severe illness, but was less effective at preventing infections by variants(3/11)