コロナウイルスが花粉に乗って来る!飛散の日は対人距離を【大学調査結果】
キプロス・ニコシア大学の研究者が、新型コロナウイルスが花粉の表面に付着して拡散することを懸念。コンピューターによるシミュレーションの結果、屋外にいても十分な対人距離を取ることが、感染を防ぐ上で重要だと分かった。
花粉がウイルスを運ぶ
研究者が今回のシミュレーションを行ったきっかけは、アメリカ各地の花粉飛散量を示す地図「National Allergy Map」と、その地域の新型コロナウイルス感染率に関連があると気づいたことだったそう。
ウイルスは、花粉の表面にも付着する。「花粉の表面には小さい穴がたくさんあり、しかも表面が凸凹しています。この穴や凸凹は、コロナウイルスより大きいのです」と、研究者は海外メディアに話す。
そして、感染者から出たウイルスが「花粉の表面に付着することがあり、それが宙を漂ってウイルスを運ぶことになる」というのだ。
実際、花粉の一粒一粒は、一度に数百個のウイルス粒子を運ぶことができるという。樹木だけでも、多い日には1立方メートルあたり1,500粒が空気中に放出される。
特に注意が必要なのは、屋外に複数人が集まり、その近くに花粉を飛散させる樹木などがあるという状況らしい。集団の中に感染者がいた場合、その人からのウイルスが花粉に付着し、一般に必要とされている対人距離以上に遠くまで運ばれてしまう。
集団の中に散らばるウイルス
このような状況で花粉がどのように飛ぶのかを、研究者はシミュレーションした。花粉発生源として柳を、集まった人の数は約10〜100人を、そのうち数人が感染者であると想定し、1つの集団が計1万粒の花粉に触れるような設定だとのこと。
下の図は、発表された論文に掲載されたシミュレーション結果の一部だ。環境条件を「アメリカの典型的な春の日と同じ気温、風速、湿度に設定した場合、花粉は1分経たない間に集団の中を通り抜けた」と研究者はいう。
シミュレーションを行った大学研究者は、これまで推奨されてきた6フィート(約1.8メートル)の対人距離は、花粉の多い混雑した場所において、病気のリスクがある人にとっては適切ではないかもしれない、と述べている。
このため、花粉飛散量の多い日に人で混雑した場所に行くときは、屋外であっても、6フィート以上の対人距離を取る方が良いと語っている。(了)
出典元:EurekAlaert!:Tree pollen carries SARS-CoV-2 particles farther, facilitates virus spread(6/22)
出典元:yahoo!news:Pollen helps Covid spread further and faster, scientists find(6/22)