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地球温暖化により動物の形にも変化、くちばしや足、尻尾の長さも伸びる

地球温暖化により動物の形にも変化、くちばしや足、尻尾の長さも伸びる
flickr_Colin Durfee

地球温暖化により、動物の体にも変化が起きているとする、研究結果が発表された。

 

体温を制御するために体が変化

 

この研究を行ったオーストラリアにあるDeakin大学のSara Ryding氏によれば、温血動物(恒温動物)の中には、温暖化によって体を変化させているものがいるという。

 

それらの動物は地球が暖かくなるにつれて、体温を制御するために、くちばしや足、耳などがより大きく変化しているそうだ。

 

Ryding氏らは、この研究結果を9月7日に、科学誌「Trends in Ecology and Evolution」において発表した。

 

気候変動以外の共通点はなし

 

もっともRyding氏によれば、気候変動は複雑で、多面的な現象であり、徐々に進行しているため、動物たちの体の変化の原因を1つに絞ることはできないという。

 

しかし実際に、このような体の変化は、広い地域と多様な種の間で起こっており、気候変動以外の共通点はほとんどないそうだ。

 

flickr_jans canon

鳥や哺乳類まで体に変化

 

特に、大きな変化が報告されているのは鳥で、オーストラリアに生息する数種のオウムは1871年以来、くちばしの大きさが4%から10%も大きくなっているとか。

 

この変化は毎年の夏の気温と相関関係があると考えられている。

 

また北米に生息する鳥、ダークアイド・ジャンコ(ユキヒメドリ)も、くちばしが大きくなったことと、寒い環境での短期的な気温の極端な変化との間に繋がりがあるという。

 

さらにこのような体の変化は哺乳類にもみられ、モリアカネズミの尻尾も長くなり、トガリネズミ(マダラ)も尾と脚が長くなっているそうだ。

 

動物も温暖化に適応しなければならず

 

Ryding氏は、次のように述べている。

 

「今こそ、動物もこの変化に適応しなければならないことを認識すべきです。しかし、この変化は、進化の過程のほとんどで起こったであろう変化よりも、はるかに短い時間枠で起こっています。私たちが作り出した気候変動は、動物たちに大きなプレッシャーを与えていますが、適応できる種もあれば、そうでない種もあります」

 

Ryding氏は今後、過去100年間の博物館の鳥類標本を3Dスキャンして、オーストラリアの鳥類の体の変化を直接調査したいと考えているという。(了)

 

出典元:Science Daily:The warming climate is causing animals to ‘shapeshift’(9/7)

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