兵器の展示会「アーミー・トレード・ショー」で発表された、狙撃用四足歩行ロボットが恐ろしい
ロボットが狙撃銃で人を撃つ——こんなSF映画のようなシーンが、近い将来、実際の戦場でも展開されるようだ。
先週、アメリカ・ワシントンD.C.で、合衆国陸軍協会(Association of the United States Army)の年次総会が行われ、これと共に開催された兵器・軍関連サービスの展示会「US アーミー・トレード・ショー」で、狙撃銃を装備した軍用四足歩行ロボットが公開された。
射程距離1200mの狙撃銃
ロボット本体は、ペンシルベニア州フィラデルフィアの企業「Ghost Robotics」が生産する「Vision」シリーズの最新型。その背中に、兵器メーカー「Sword Defense」が開発した、遠隔操作専用狙撃銃「SPUR(Special Purpose Unmanned Rifle)」が載っている。
「SPUR」が使用する銃弾は、命中率が高く、精密射撃に最適といわれる6.5mmクリードモア(Creedmoor)。有効射程距離はなんと1200m。銃の発射だけでなく、銃弾の装填なども遠隔操作で行なえる。
四足歩行ロボットの方は、車輪やキャタピラー付き車両が入って行けないような起伏の激しい場所で動き回れるのが特徴だ。氷の上でも転ぶことがない。ツイッターに動画が投稿されている。
Robot dog on ice. Really impressive. pic.twitter.com/oKdmOWRVlW
— Felix Woessner (@FeWoessner) October 12, 2021
将来、AIが判断して射撃するのか
現在のところ、この犬型ロボットは半自動だ。あらかじめプログラムされたルートを進み、障害物などがあれば自動で回避する。予定された場所に到達すると、操縦者が遠隔操作で銃を撃つ。Ghost RoboticsのCEOであるJiren Parikh氏は、海外メディアにこう話している。
「このロボットは遠隔オペレーターによって完全にコントロールされています。この武器をコントロールするのは人間であり、自律的なAI(人工知能)ではありません」
つまり、AIが勝手に判断して人を殺傷することはないというわけだが、将来どうなるかはわからないだろう。メディアによれば、こうした自律型兵器システムは、現在、技術的に可能であるとのこと。(了)
出典元:NewScientist:US military may get a dog-like robot armed with a sniper rifle(10/14)