オーストラリアで保存状態の良い、虫や植物、魚など大量の化石を発見
オーストラリアで保存状態の良い、多くの化石が発見され、その研究結果が発表された。
植物の葉や昆虫、魚、クモ類など50種類以上
この化石を発見したのは、ニューサウスウェールズ州の街、ガルゴンで暮らす農家のNigel McGrathさんだ。
彼は長年にわたり、自分たちの土地に石が多いため、農作業に苦労してきたという。
この問題を解決するために、McGrathさんは自らの手で石や岩を砕き始めたが、その結果「ゲータイト」と呼ばれる酸化鉄の鉱物の中から、保存状態の良い化石が多く見つかるようになったそうだ。
化石には、50種以上の植物の葉、花の化石、魚、昆虫、クモ類、そして羽毛の化石までが含まれ、中には線虫や寄生虫、蝶の羽の鱗粉まで確認できるほど鮮明な化石もあったという。
現代のボルネオに匹敵するほど生物が豊富
これらの化石は、1300万年前から530万年前までの中新世(新生代)のものとされ、当時オーストラリア大陸は熱帯雨林に覆われていたと考えられている。
多くの化石が発見された場所は、McGrathさんの名前をとって、「McGraths Flats(平地)」と呼ばれ、中新世の熱帯雨林の生態系が保たれた、世界で唯一の先史時代の化石層になるという。
当時、この場所は大気中の二酸化炭素濃度が高く、湿潤・多湿な森林と、そのような場所を好む生物にとって完璧な条件が作り出されており、現代のボルネオ島に匹敵するほどの豊かな生物種が生息していたと考えられている。
動物行動モデルの証拠も発見
今回発表された研究論文によると、「McGraths Flats」は、干上がった窪地湖の泥状遺構であると考えられるという。
注目すべきは、現代でも目にするいくつかの動物行動モデルの証拠だ。例えば花粉の粒、12個を頭に付けたままのハエや、魚の尾びれに付着したイガイなどで、淡水に棲むムラサキイガイが魚に寄生していることが初めて発見されたそうだ。
また、魚の胃の内容物としてトンボの羽やミズアブなどが保存されていたため、研究者は湖の中の魚の捕食行動を確認することができたという。(了)
出典元:Good News Network:Spectacular Fossils Discovered from Prehistoric Rainforest Reveal Intimate Details From 11 Million Years Ago(1/17)