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南北の極で異常な熱波、気象崩壊の前兆か

南北の極で異常な熱波、気象崩壊の前兆か
Twitter/Extreme Temperatures Around The World

現在、南極と北極で異常な熱波が発生しており、気候科学者の間で警戒が広がっている。

 

北極や南極で平年より高い気温が続く

 

まず南極大陸の気温は先週末に記録的な高さに達し、場所によっては平年より40℃も高いという驚異的な気温を記録したという。

 

また同時に、北極付近の気象観測所でも氷の融解の兆候が見られ、平年より30℃も高いところもあるそうだ。この気温は、通常ならもっと遅い時期に達すると言われている。

 

この時期、南極は夏を終えて急速に冷え込み、北極は日が長くなるにつれてゆっくりと冬から脱却していく。しかし、このように両極が一度に高温になることは、前代未聞のことだとされている。

 

気象学者らは、「前例のない」この現象が、気候の崩壊を早め、突然起きるシグナルになっていると警告している。

 

「心配なほど予測を超えている」

 

南極にある標高3489mのロシア・ボストーク基地(3月の平均最高気温はマイナス53℃)では3月18日に、マイナス17.7℃度を記録。3月の最高気温の記録を、約15℃も上回ったという。

 

また同じく南極にある標高3234mのコンコルディア基地(3月の最高気温の平均はマイナス49℃)でも、最高気温がマイナス12.2℃を記録。1年を通じて最も高い気温となり、3月の最高気温の平均より約40℃も上回ったそうだ。

 

ペンシルバニア州立大学地球システム科学センターのマイケル・マン所長は、記録されている異常気象は、心配なほど予測を超えているとし、次のように述べている。

 

「(気象)モデルは全体的な温暖化をうまく予測しているが、異常気象がモデルの予測を超えていると主張してきた。これらの事象は、行動の緊急性を強く印象づけるものです」

 

またユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマーク・マスリン教授(地球システム科学)も、次のように述べている。

 

「私や同僚は、2021年の異常気象の数と深刻さに衝撃を受けた。これは、1.2℃の温暖化では予想できなかったことだ。今、北極で記録的な気温が観測されていますが、これは、私にとっては、予想よりもずっと早く、気候変動の新たな極端な局面に入ったことを示しています」(了)

 

出典元:The Guardian:Heatwaves at both of Earth’s poles alarm climate scientists(3/20)

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