政治家は一般大衆より長生きすると判明:オックスフォード大調査
意外に思うだろうか、それとも「やっぱり」と感じるか? 先進国の政治家の平均寿命は一般人より長いことが、オックスフォード大学の調査で分かった。
20世紀に入って広がる一般人との差
オックスフォード大学の研究者グループは、先進国11カ国(オーストラリア、オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ニュージーランド、スイス、イギリス、アメリカ合衆国)の寿命に関するデーターを分析し、政治家の平均寿命と一般人の平均寿命を比較した。
分析の対象となった政治家の数は5万7561人(うち4万0637人はすでに死亡)。1816年から2017年までの長期にわたるデータが利用された。
分析の結果は学術誌「European Journal of Epidemiology」に発表されているが、それによると、20世紀になってから政治家の死亡率が顕著に下がっているとのこと。19世紀の終わり頃は、一般人と政治家の寿命は同じくらいだったが、20世紀に入ってから、政治家の方が平均して長生きするようになった。
また、存命中の政治家の余命に関しては国によって差があり、例えばイタリアでは、一般人が1年後に死亡する確率は政治家が1年後に死亡する確率の2.2倍だが、ニュージーランドでは1.2倍という数字になった。
現在45才の政治家と一般人の平均余命を比べると、最も差が大きかった国はアメリカ合衆国で、政治家の方が約7年余命が長かった。一方、最も差が少なかったのはスイスで、政治家の余命は一般人より約3年長かった。
医療の進歩のおかげか
オックスフォード大学の研究者によれば、政治家が長生きする理由はいろいろ考えられるそう。そのひとつに、政治家の収入が平均よりもはるかに多いことが挙げられるが、それよりもむしろ、政治家が健康的なライフスタイルを好むようになったことや、先進医療を受けられることなどが大きな要因であるらしい。
今回の調査は先進国を対象としており、経済的に豊かでない新興国などには当てはまらないとのこと。(了)
出典元:Medical Xpress:New study finds that politicians typically enjoy longer lives than general populations(6/24)
出典元:Springer Link:The comparative mortality of an elite group in the long run of history: an observational analysis of politicians from 11 countries(6/23)