全身が毛むくじゃら!ぬいぐるみのようなカニをオーストラリアで発見
オーストラリアの海で、なんとも奇妙なカニが発見され、注目を集めている。
知られていなかった種
このカニは以前、ある家族によって西オーストラリア州の町、デンマーク市近くの浜辺に打ち上げられているのを発見されたという。
その後、パースにある西オーストラリア博物館の甲殻類・虫類コレクションの学芸員であるアンドリュー・ホージー氏に送られたそうだ。
ホージー氏は、長年カニの研究をしている海洋生物学者のコリン・マクレイ氏に連絡を取った。マクレイ氏は、このカニがこれまで知られていなかった種であることを確認したという。
ホージー氏は、このカニが非常に珍しい「海綿ガニ」の一種であるとみなし、新しく「ラマルクドロミア・ビーグル」と名づけた。
Check out this new species (Lamarckdromia beagle) of sponge crab from Albany, Western Australia. Sponge crabs are like hermit crabs, but instead of shells they make a shelter out of living sponges that they trim with their tiny claws! 🦀 https://t.co/ag9EOKeWeX pic.twitter.com/CdzbOgVVgE
— Dr Bryan Lessard (@BrytheFlyGuy) June 10, 2022
海綿やホヤなどのかけらを集める
そもそも海綿ガニの仲間(Dromiidae)は、鋭い前爪で海綿やホヤなどのかけらを集め、特殊な後ろ足でこれらをトリミングし、頭の上に乗せるという。
やがてこのかけらが積み重なり、カニの上にぴったりとした帽子のようなものができ、捕食魚や他のカニ、タコなどに食べられずにすむそうだ。
また、海綿は有害な化学物質を生成することでも知られており、捕食者にとってカニが魅力的な食べ物ではなくなる可能性が高いそうだ。
ホッシー氏は「海綿ガニはよく毛が生えていますが、これは完全なボサボサの毛というよりは、フェルトやビロードのような感じです」と述べている。
この海綿ガニはぬいぐるみのようだが、実は毛むくじゃらの毛の下には丈夫な外骨格があるという。(了)
出典元:Livescience:Can you spot the crab in this photo? (Hint: It’s under the fuzz.)(6/29)