絶滅の危機にある少数部族の写真が、まるで映画のようにかっこいい
グローバル化が進む中、数カ月に1つの言語が失われているとされる現代。
この時代においても古来から続く独自の文化を継承し、今に伝えている部族も世界には存在する。
そんな消滅の危機にある少数部族の姿を捉えた写真の数々が、まるで映画のワンシーンのように格好いいとして話題を集めている。
少数部族と共に時間を過ごしながら撮影
絶滅の危機にある少数部族の姿を写真に収めてきたのは、写真家のJimmy Nelsonさん。
Nelsonさんは2010年より世界中を旅して周り、様々な少数民族の姿をカメラで捉えてきた。
Nelsonさんは『Before They Pass Away(彼らがこの世を去る前に)』というタイトルの写真集をも出版。
そこでは世界において消滅の危機にある、30をも超える少数部族の姿が紹介されている。
この撮影の間、Nelsonさんはそれぞれの部族につき数週間もの時間を共に過ごしながら、彼らの文化を学びつつ、独自の視点で彼らの姿を写してきたという。
生きていることを実感するため
さらにNelsonさんは今年一作目の写真集に続いて『Homage to Humanity(人類への敬意)』という本をも出版。
このためにNelsonさんは、5つの国における34もの少数部族の元を訪問。
一作目が単なる写真集であったのに対し、二作目のこちらでは写真に加えて旅行記や地図、さらには少数部族へのインタビューなどをも掲載している。
「17歳の時に旅を始め、それは今日まで続いている」というNelsonさん。
人類学者でもなく単なる写真家であるというNelsonさんは、少数部族の元を訪ねて回る自らの旅の理由についてこう語る。
「写真撮影と民族、そして土着の文化と共に変装しているが、究極的にはこれはとても個人的な旅で、生きていることを実感するためのものなんです」
彼らを通じて自らを見つめ直す
しかし生きていることを実感するための手段が、消えゆく少数部族の撮影とは一体どういうことなのだろうか。
土着の部族は我々自身の認知において重要な役割を果たしている、と考えるNelsonさん。
少数部族の撮影というワークを通じ、我々人類のルーツと人間性の再発見を行ってきた彼は、自らの旅の理由として自分自身を見つめ直すことをも挙げている。
彼らの姿を通じて、Nelsonさんのみならず我々自身も科学の発展と共に失ってきた何かを発見することができるかもしれない。
少数部族の姿を捉えた写真をご紹介!
それではここからはそんなNelsonさんが捉えた少数部族の写真の中でも、特に印象的なものを少しだけご紹介させていただこう。
まずご紹介させていただくのはこちら。
こちらはブータンのマスクダンサーの姿を捉えたもの。
マスクダンスとは“ツェチュ”と呼ばれるブータンの宗教的なお祭りにおいて踊られるもの。色とりどりのマスクや衣装を身にまとった僧などの、踊る姿を見ることが出来るという。
続いてご紹介させていただくのはこちら。
こちらの写真はケニアの少数部族、サンブル族を写したもの。彼らは農耕を行わず主として牛牧による牧畜を営み、移動生活を行っているという。
お次にご紹介させていただくのはこちら。
こちらはエチオピアのコルチョ村に暮らすカロ族という部族。人口約3000人と推定されており、ビーズによって作られた飾りや白いペイントを施しているのが特徴だ。
いかがだったろうか。Nelsonさんの作品は、こちらのサイトから閲覧することが可能だ。
少数部族の姿を通じ、自らを見つめ直してきたというNelsonさん。彼の写真に捉えられた美しくも逞しい少数部族の姿を見て、人類の強さと美しさを改めて思い知らされた気がした。(了)
出典:Boredpanda:21 Breathtaking Photos Of Isolated Tribes From All Around The World(12/10)
出典:Jimmy Nelson
出典:西遊旅行:エチオピアみどころ
出典:All About:ブータンのお祭り(ツェチュ)(2012/2/22)