無重力で鍛えるISSの飛行士は、こんなトレーニングマシンを使っている【動画】
国際宇宙ステーション(ISS)に乗務中のフランス人宇宙飛行士、トーマス・ペスケ(Thomas Pesquet)さんが、ちょっと珍しい動画をツイッターに投稿した。無重力の中、マシンを使ってトレーニングする自分の姿だ。宇宙用に作られた、特別なマシンの動きが面白い。
スペース・ワークアウト
2021年4月からISSで2度目の任務に就いているペスケさんは、宇宙の素晴らしい写真や一般人が見る機会の少ないISS内部の写真を、ツイッターで数多くシェアしてくれている。
そんな彼が9月18日に投稿したのが、宇宙でのトレーニング風景だ。「筋肉をつける スペース・ワークアウト 誰かやってみる?」という文章が付けられた動画には、風変わりなマシンを使ってスクワットに励む彼の姿が映っている。
Renforcement musculaire ✨ de l’espace ✨
🏋️♂️#SpaceWorkOut anyone? 😜 #MissionAlpha pic.twitter.com/Ui1HTYpcPt— Thomas Pesquet (@Thom_astro) September 18, 2021
NASAが作った宇宙用トレーニングマシン
ペスケさんによれば、このマシンは「Advanced Resistive Exercise Device」、略してAREDというのだそう。Resistive Exerciseは筋肉に負荷をかける抵抗運動(レジスタンス運動)のことなので、無理やり日本語に訳すと「進歩的抵抗運動器具」といった感じだろうか。
このAREDは、無重力状態でも効果的なトレーニングを行えるようにと、NASAが開発したもの。2009年にスペースシャトルでISSに運ばれ、それまであった非効率なトレーニングマシンと交換された。
AREDは、中が真空になったピストンと、ケーブルの付いたフライホイール(いわゆる「はずみ車」)を組み合わせた構造で、スクワットやデッドリフト、カーフレイズといったウエイトトレーニングが(ウエイト無しで)できるようになっている。
長期間を宇宙で過ごす乗務員は、何もしないでいると、全身の筋肉量が約15%、下半身の筋肉量に限っていえば約30%も減ってしまう。AREDはそれを防ぐためのもの。ISSの乗務員は誰でも使っていいそうだ。(了)
出典元:The IndianExpress:Astronaut posts workout video from International Space Station, clip goes viral(9/21)
出典元:Wikipedia:Advanced Resistive Exercise Device