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4月4日、舞鶴市での大相撲巡業で倒れた市長に心臓マッサージをしていた女性に対して、「女性は土俵から下りてください」とアナウンスが流れた。この一件は日本国内でも大きく取り上げられ、批判や疑問の声が上がっている。

この出来事は日本を飛び出し、海外でも複数のメディアが取り上げている。

BBC「伝統的に“穢れている”とされる女性」

「土俵は神聖なものとされており、伝統的に“穢れている”とされる女性は足を踏み入れることが禁じられている」

上記のように出来事を説明したのは、イギリスの公共メディアであるBBCだ。

他にも女性が土俵を下りた後、大量に塩がまかれたことについて「取り組みの前、土俵を浄化するために塩がまかれている。ソーシャルメディア上では、女性が土俵を穢したから塩をまいたのではないかと推測している」とした上で、Twitterに投稿された怒りの声を紹介し、日本国内でも批判的な声が上がっていることを伝えた。

さらに記事の最後では、2000年に当時の大阪知事だった太田房江氏が、府知事賞贈呈をするため、土俵に上がる申請をしたところ、却下されたことが付け加えられている。

ワシントンポスト「女性が直面している問題を浮き彫りに」

アメリカの大手メディアであるワシントンポストは、「女性が公平さを得るために直面している問題を浮き彫りにした」と解説している。

また、2月には26歳の保育士である妻を持つ男性が、「妻が妊娠したことを、園長に謝罪した」と毎日新聞に投書し、日本国内でも話題になったことを紹介。その投書には、園長は保育士の結婚や出産の順番を決めており、それを破った妻に嫌味を言うなどの行動をしていることが書かれていた。

ワシントンポストは、安倍内閣は女性の活躍を推進しているが、女性は差別やハードルに直面していると指摘している。

また、日馬富士の暴行事件や大砂嵐が無免許運転で事故を起こしていずれも引退したこと、相撲観戦者や日本人の力士志望者が減っていることなど、日本の国技である相撲が直面している問題についても言及された。

記事には「伝統は多くのナンセンスを正当化する」「変化を受け入れる能力が欠如しているのは、普遍的特質だ」「日本は女性の扱いで、自らの足をすくっている」「2018年にまだこんなことが起きているなんて信じられない」など、数多くのコメントが寄せられている。

また、アメリカでも女性差別を受けたという人からは、「驚くのはこの屈辱的で格下の市民としての現状を、支持する女性がいるということです」との声が上がった。

八角理事長の謝罪を取り上げたロイター

国際ニュース通信社ロイターは、「女性は清浄ではなく土俵を穢すため、土俵に入ることは伝統的に禁じられている」と今回の出来事を解説した上で、八角理事長の謝罪と女性への感謝の言葉を取り上げた。

また「ファンイベントでは、小さな女の子が土俵に上がって力士と相撲をとったことがある。つまり、女性が土俵に上がることを相撲協会が認めていたということだ」と主張する、相撲ジャーナリスト・荒井太郎氏の声を紹介している。

ニューヨークタイムズ「先進国の中で男女平等ランクの低い国」

今回の出来事を最も批判的なトーンで取り上げたのがニューヨークタイムズ。

世界経済フォーラムが発表している男女平等ランキングについて触れ、「ヘルス、教育、経済、政治など一貫して先進国の中で男女平等ランクの低い国において、このエピソードは日本でどのように女性がみなされているかというメタファー（暗喩）として受け止められている」と指摘した。

日本の男女不平等の一例として、夫婦別姓が認められておらず、女性が姓を変えることが多いこと、女性政治家が少ないこと、女性が天皇になれないことも挙げられた。

また、ワシントンポストと同様に26歳の保育士のケースも紹介している。（了）

出展元：BBC：Japanese women ordered from sumo ring during first aid（4/5）

出展元：Washington Post：A Japanese woman tried to save a man’s life in the sumo ring, but was ordered away for being ‘unclean’（4/5）

出展元：Reuters：Japan sumo chief apologizes after female medics asked to leave ring（4/5）

出展元：New York Times：Women Barred From Sumo Ring, Even to Save a Man’s Life（4/5）

出展元：毎日新聞：男の気持ち　子育て後進国　名古屋市・匿名希望（給与生活者・２８歳）（2/28）