アニメーション界の巨匠・高畑勲氏の訃報に世界中から悲しみの声が届く

Twitter/Lee Unkrich

4月6日、スタジオジブリが発表した高畑勲氏の訃報は、日本中から大きな驚きと悲しみの声を生んだ。

日本テレビの「金曜ロードSHOW！」では予定を変更し、4月13日に高畑勲氏の代表作である「火垂るの墓」をノーカットで放送するとしている。

来週は予定を変更して高畑勲監督追悼・「火垂るの墓」をノーカット放送します😭第二次世界大戦当時の神戸を舞台に、懸命に生きようとした2人の兄妹を描いた“いのちの物語”、日本アニメーション界の巨匠の代表作を是非。 #火垂るの墓 #高畑勲監督追悼 pic.twitter.com/l2A3VaG5ie

— ミアちゃん＠金曜ロードSHOW! 公式 (@kinro_ntv) April 6, 2018

高畑氏の訃報は日本だけではなく、世界中で報じられ、多くの人々が哀悼の声をあげている。

大手海外メディアが取り上げた

英語圏の大手メディアはこぞって高畑氏の訃報を取り上げている。

The Guardianは「スタジオジブリの創設者のひとりである高畑勲氏が82歳で死去」とのタイトルで報じた。

スタジオジブリの設立に参加した人物であることは、すべての記事で触れられていたが、CNNとロイターは「日本のアニメーション監督」、New York Timesは「日本のアニメーション界のリーダー」という言葉をタイトルに使っている。

監督・脚本・原案を手掛け、遺作となった「かぐや姫の物語」（2013年）はアカデミー賞の長編アニメ部門にノミネートされたが、ロイターやCNNは高畑勲氏のもっとも有名な作品として、New York Timesは特に批評家から称賛されている作品として、The Guardianは多くの人が思い浮かべる作品として「火垂るの墓」（1988年）を紹介。

ロイターは、高畑監督自身も9歳当時に住んでいた岡山で空爆を経験し、寝間着姿のまま裸足で逃げた経験があることを取り上げた。

また、Washington Postは「人々の心にとどまり続ける高畑勲監督の傑作、戦争作品がいかにアニメーションを変えたか」という記事を掲載した。

フランスでも大きな話題に

2015年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを受章し、2016年にはウィンザー・マッケイ賞を受賞している。フランスのメディアでも高畑勲氏の訃報は取り上げられた。

フランスの朝のニュースでも報道されてる(FRANCE 24)。　#IsaoTakahata #高畑勲監督 pic.twitter.com/uR0PpRDpka

— シティー@しばらく海外 (@meg_yukki) April 6, 2018

世界的に知られたフランスの新聞社「ル・モンド」は、訃報の中で高畑勲氏の詳細な経歴や作風、そして戦争体験について触れている。

Twitterでの反応

Twitter上も「火垂るの墓」「かぐや姫の物語」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」などの画像とともに、投稿された悲しみの声であふれている。

その一部がこちらだ。

▼「トイ・ストーリー3」「リメンバー・ミー」などの監督を務めたリー・アンクリッチ氏：スタジオジブリの設立者の一人である高畑勲氏の訃報はとても悲しい。「火垂るの墓」は、すばらしく感情に訴える映画だった。「ホーホケキョとなりの山田くん」はとてもチャーミングだったね。「リトル・ミス・サンシャイン」（2006年公開のアメリカ映画）の脚本に大きな影響を与えたんだ。

Really sad to hear about the passing of Isao Takahata, co-founder of Studio Ghibli. “Grave of the Fireflies” is an amazing, emotional film. And “My Neighbors the Yamadas” is incredibly charming. It also had a big influence on Michael Arndt’s script for “Little Miss Sunshine.” pic.twitter.com/0dfXC3t2sL

— Lee Unkrich (@leeunkrich) April 5, 2018

▼英国映画協会（BFI）：高畑勲氏の死去を大変残念に思います。これから何世代にもわたって人々の心を動かし続ける作品を遺した、アニメ界のレジェンドです。

We're very sad to hear about the passing of Isao Takahata. An animation legend who leaves behind a legacy of films that will move and inspire people for generations to come. pic.twitter.com/TgP50O3GLO

— BFI (@BFI) April 6, 2018

▼アメリカ大使館

スタジオジブリ創設者の一人であり、映画監督の高畑勲さんが82歳で逝去されました。ご冥福をお祈りします。
Remembering Isao Takahata, Film Director and Co-Founder of Studio Ghibli, who has passed away at age 82. pic.twitter.com/LrHcJAWsME

— アメリカ大使館 (@usembassytokyo) April 6, 2018

▼パリにある映画博物館のシネマテーク・フランセーズとフランス大使館

シネマテーク・フランセーズが高畑勲監督の弔報を伝えています。「高畑勲監督が亡くなりました。そして私たちは寂しく残されてしまいました」 https://t.co/4xm77mXHA2

— フランス大使館 (@ambafrancejp_jp) April 5, 2018

▼人気ユーチューバーのクリス・スタックマン：日本の高畑勲氏の訃報は悲しみにたえないよ。彼の映画は何年にもわたって、僕に影響を与えてきた。大きな喪失だ。RIP。

Saddened to hear reports from Japan that Isao Takahata has passed. His films have inspired me for years. A major loss. RIP. pic.twitter.com/YcR1EzrntV

— Chris Stuckmann (@Chris_Stuckmann) April 5, 2018

▼「ミラキュラス・レディバグ」などを手掛けたアニメーション監督のThomas Astruc：今日、もっとも偉大な監督の一人である高畑勲氏を世界は失った。彼が作ったものはすべてが傑作だ。「おもひでぽろぽろ」は僕にとって、人生について必要なことがすべて描かれていた作品だ。素敵な作品を遺してくれてありがとう。先生。

Today the world has lost one of the greatest director ever, Takahata Isao.
Every. Single. Thing. He made. Is a masterpiece.
Here's a RT of Omoide Poroporo ED.
To me this film contains everything you need to know about life. Period.
Thanks for this legacy, Sensei. #IsaoTakahata https://t.co/1XQFxKZ78v

— Thomas Astruc (@Thomas_Astruc) April 5, 2018

▼サイトNerdistのシニアエディターのDan Casey氏：アニメーションそして映画ファンとして、高畑勲氏の訃報には胸を痛めています。RIP、高畑さん。そして数多くのすばらしい作品をありがとう。

Heartbreaking news for animation and film fans: Studio Ghibli co-founder Isao Takahata has died, aged 82. RIP Takahata-san and thank you for so many wonderful films.

[via https://t.co/Qo50q6UT0c] pic.twitter.com/yrMswdO7f0

— Dan Casey (@DanCasey) April 5, 2018

▼今の僕はこんな気分