北朝鮮でガソリンが不足?平壌で販売制限により長蛇の列ができる
北朝鮮の首都、平壌でガソリンの販売制限が行われていることが明らかとなった。
●長蛇の列ができ、店を閉じている場合も
ABC Newsによれば、平壌にある多くのガソリンスタンドが燃料不足への懸念から、販売を制限したため、多くのユーザーが我先に給油をしようと殺到しているという。
実際にガソリンスタンドからは長蛇の列が続き、価格も上昇。またスタンドの中には販売を外交官や国際機関に限ったり、店舗を閉じたりして、給油に訪れる住民をそのまま帰す所もあるようだ。
しかしこの原因が何か、またはどのくらい続くのかについては明らかにされていない。
●中国外務省は輸出制限について言及せず
そもそも北朝鮮のガソリン販売制限については、中国のメディアが伝えた後、先週の金曜日に北京で行われた中国外務省の記者会見で質問が出たという。
しかし中国の報道官はその原因や、北朝鮮に対しエネルギーの輸出制限をしているのか、という質問に関して、明確に答えなかったそうだ。
また北朝鮮の専門家である北京大学のKim Dong-jil氏は「現在、中国政府が北朝鮮に圧力をかけるため、石油などの輸出制限を行っているとは聞いていない」としながら、それも「選択肢の1つだ」と語っている。
●70セントから1.25ドルに上昇
北朝鮮ではガソリンをkg単位(リットルとほぼ同じ)で販売しているそうだが、以前1kgあたり70から80セントで販売していたのが、今では1.25ドルまで上昇しているという。
そしてガソリンスタンドの看板には、この販売制限は先週の水曜日から実施されたと書かれているそうだ。
●クーポンでガソリンを購入
北朝鮮でガソリンを購入する際は、レジのブースで最初に欲しい量のクーポンを購入し、残った分はクーポンが満期になるまでに、次回の給油で使用できるという。
当然、給油は軍や政府関係者、重要プロジェクトの担当者などが優先。またいくつかのガソリンスタンドは異なった国営企業によって運営され、「高麗航空」なども店舗を持っているそうだ。
近年、北朝鮮では車の数が増えていると言われており、今回の販売制限で多くの市民が困っていると見られている。(了)
出展元:ABC News:Pyongyang drivers scramble as gas stations limit services(4/21)