ISISが8000人の「殺害リスト」を作成、トランプ大統領の名も
ISISが殺すべき人間の名前を連ねた「キル・リスト」を作っていたことが判明し、不安が広がっている。
●住所までリストに載せる
これを作成したのはISISとのつながりが深いハッカー・グループの「United Cyber Caliphate (UCC)」。
彼らは秘密のメッセージ・サイトの中で、アメリカ人やイギリス人など8786人の名前と住所、そしてEメールのアドレスを記した「キル・リスト」を公開。
それぞれの国内に潜伏している一匹狼型のテロリストに対し、彼らを殺すよう呼びかけたそうだ。
リストにはよく知られている政治家やセレブ、宗教指導者などの名前が書かれているとされ、またアメリカやイギリス、カナダ、アフガニスタンなどでテロ・グループを公然と非難したイスラム教徒も含まれている。
またその中にはアメリカのトランプ大統領の名前も含まれており、ハッカー・グループはビデオの中で彼を脅迫するメッセージを送っていたという。
●「見つけ次第、彼らを殺せ」
そのメッセージは、次のように告げている。
「アメリカに住む人々、そして特に重要なことに、お前らのトランプ大統領に対してメッセージがある。われわれがお前らとの戦争を継続することを知っておくべきだ。そしてお前らの反撃はわれわれを強くするということも。UCCはお前らに対する戦いの新たな段階に突入するだろう。まもなくそれが起きることを期待しておけ!全てはアラーの思し召しだ」
さらに国内にいる一匹狼型のテロリストに対し「彼らを見つけ次第、殺せ」と呼びかけたそうだ。
●専門家は「防ぐ手段はない」
もっともこのような「キル・リスト」は決して新しいものではない。昨年もターゲットにされた人の名を連ねたリストがあったという。
しかし今回のように住所まで載せるのは初めてとされている。
元FBIの職員で現在は弁護士をしているStuart Kaplan氏は、CBS12の取材に対し次のように述べているそうだ。
「もし実際にISISの信奉者がこのリストを手に入れ、また隣人になりすましその人間の居場所を特定することができ、相手に何か恐ろしいことを企てようと決心したなら、その可能性を測る方法も、防ぐ手段もありません」
●非政府系の組織が動画を発見する
ISISはこれまでも繰り返し秘密のメッセージ・サイトを使っており、先日イギリスで起きたウェストミンスター橋付近の襲撃事件が起きる前も、それを使い一匹狼型のテロリストに呼びかけていたという。
しかし今回、非政府系のテロリズムに対抗する組織「SITE Intelligence Group」が、このショッキングな動画を突き止めたそうだ。
「SITE Intelligence Group」は20年近くも世界的なテロや原理主義者のネットワークを追跡し、分析も続けており、この分野では最も知識があり、信頼できる専門組織の1つとされている。(了)