イスラエル軍がAI「ゴスペル」を使い、自動で攻撃目標を設定していた!
イスラエル軍がガザ地区へ攻撃する際、AIを使ってターゲットを設定していると報じられている。
おすすめの攻撃目標を作り出す
イスラエル国防軍(IDF)のウェブサイトで発表された声明によれば、ガザ地区での「ハマス」との戦闘において、速いペースで攻撃目標を生成するために、「Habsora(英語でゴスペル)」と呼ばれるAIベースのシステムを使用しているという。
実際に「ゴスペル」は、情報の迅速かつ自動的な抽出を通じて、機械の推奨と人間によって行われる識別とが完全に一致するよう、おすすめの攻撃目標を生み出すそうだ。
具体的には、「ハマス」や「イスラム聖戦」の戦闘員の疑いのある個人の自宅などを攻撃対象として、自動的にターゲットを推奨するという。
1万2000以上の目標を設定
実はすでにイスラエル軍は、2021年5月のガザ地区における11日間の戦闘の後、機械学習と高度な情報処理を使用して「最初のAI戦争」を戦ったと述べていたという。
また今年の11月初旬には、IDFはガザ地区の「1万2000以上」の攻撃目標が標的管理部門によって設定されたと発表していた。
さらに「ゴスペル」の存在については、雑誌「+972マガジン」や報道機関「ローカル・コール」なども、イスラエル諜報機関の現職、元メンバーのインタビューを交えて、報じてきたそうだ。
民間人に生じるリスクへの懸念
しかし現在、複雑かつ不透明なAIの活用が戦場で拡大していく中で、民間人に生じるリスクについての懸念が高まっている。
実際、今回のガザ紛争では、すでに1万5000人以上のパレスチナの民間人が、イスラエル軍の空爆などにより殺害された。
自律システムの利用に詳しい元ホワイトハウス安全保障当局者は、「他の国も注目し、学んでいくだろう」とし、次のように語っている。
「もしイスラエル国防軍が、生死にかかわる標的選択を行うために、AIを重視して利用しているなら、重要な時期になるだろう」(了)
出典元:The Guardian:‘The Gospel’: how Israel uses AI to select bombing targets in Gaza(12/1)