民主派活動家の周庭さんがカナダに滞在、香港へ戻らないと投稿
香港・民主派活動家の周庭(Agnes Chow)さんが12月3日、SNSに投稿し、現在カナダに滞在していると明らかにした。
今年の9月にカナダへ向け出発
周庭さんは3日、27歳の誕生日を迎え、2年半以上の沈黙を破り、インスタグラムに2つの投稿をしたという。
投稿の中で彼女は、3年前に国家安全法に基づき、香港警察に逮捕されたこと、実刑判決を受けたのち、保釈されたことなどを説明。さらに現在、カナダのトロントにいることを明らかにし、今後は香港に戻らないと述べた。
周さんは大学進学のため、9月中旬にカナダのトロントへ出発。警察へ出頭するという保釈条件を満たすため、12月には香港には戻らなければならなかったそうだ。
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「国家安全維持法」により逮捕
周さんは香港の「雨傘運動」と呼ばれる民主化運動の中心メンバーの1人とされ、SNSにも日本語で現状を伝え、香港当局の取り締まりや弾圧に対して抗議し続けてきた。
しかし中国政府が課した「国家安全維持法」により2020年8月、2019年の抗議活動に参加した容疑で逮捕され、11月23日に実刑判決を受けて、10カ月間投獄されたという。
翌年、周さんは保釈されるが、定期的に警察署への出頭を求められ、精神疾患により体と心が非常に不安定な状態に置かれたそうだ。
「恐らく一生戻らない」
周さんは、インスタグラムへの投稿において、次のように述べている。
「当初は12月末に香港に戻り、警察へ出頭する予定でしたが、香港の情勢、自身の安全、そして精神的、身体的な健康状態を慎重に検討した結果、もう香港には戻らないと決めました。恐らく一生戻らないでしょう」
戻らない理由として周さんは、国家安全保障局の取り調べに応じなければならず、いつでも当局が捜査を理由に、彼女の出国を禁止できるからだ、と説明している。
その上で周さんは、「もうやりたくないことを強制されるのは嫌ですし、中国本土に強制的に行くのも、もう嫌です。このままでは、無事だとしても、心も体も崩壊してしまいます」とし、今後については、次のように述べた。
「ここ数年、私は恐怖から自由になることが、いかに貴重かを経験しました。今後のことはまだまだ未知の部分が多いですが、確実に言えるのは、ようやく逮捕されるかどうかを気にする必要がなくなり、言いたいことを言えるようになったということです。 カナダで勉強し、癒しながら、過去に心の病やさまざまなプレッシャーのために脇に置いていた興味を取り戻し、自分のリズムを確立したいと思っています」(了)
出典元:Instagram:chowtingagnes
出典元:The Guardian:Former Hong Kong activist Agnes Chow flees territory for Canada(12/4)