「ハマス」最高幹部のハニヤ氏は、ミサイルの直撃により死亡
「ハマス」の政治部門の指導者だったイスマイル・ハニヤ氏が、イランのテヘランで殺害されたが、その詳細が明らかにされた。
部屋の窓、ドア、壁が破壊される
「ハマス」の幹部であるハリル・アル・ハイヤ氏は7月31日、イランのテヘランで記者会見を行い、部屋にミサイルが直撃し、ハニヤ氏が死亡したと明らかにした。
ハイヤ氏によれば、このミサイル攻撃により、ハニヤ氏の部屋の窓、ドア、壁が破壊されたという。(最新の情報では、ハニヤ氏の部屋に爆発物が仕掛けられていたとも、報じられている)
その上でハイヤ氏は、「イスラエルは停戦合意を望んでおらず、失敗を重ねても、侵略を続けたいだけだ」と非難した。
一方、イスラエル側は、ハニヤ氏殺害について、自分たちの関与について言及していない。
各国がイスラエルの攻撃を非難
この暗殺が報じられた後、ヨルダン川西岸地区のラマラ中心部では、ハニヤ氏の殺害を非難する抗議活動が起こり、ヨルダン川西岸全域でも同様のデモが続いているという。
またトルコのイスタンブールでも、ハニヤ氏の殺害を非難するデモが行われ、数千人もの人々が参加したそうだ。
トルコの外務省も、ハニヤ氏の殺害を非難し、「ネタニヤフ政権には、平和を達成する意図がないことが改めて明らかになった」と述べた。
イスラエルと「ハマス」との停戦交渉を進めているカタールとエジプトも、ハニヤ氏の暗殺後、交渉の将来に疑問を呈している。
カタールの首相はSNSの「X」において、「交渉が続く中、政治的暗殺とガザでの民間人への継続的な攻撃は、(略)どうやって調停が成功できるのかという疑問を生じさせる」と投稿。
エジプト外務省も「イスラエルの危険なエスカレーション政策は、約4万人のパレスチナ人が殺害されたガザ地区での戦闘を終わらせるための、仲介努力を損なっている」と述べた。
「ヒズボラ」の司令官の死亡も確認
一方、レバノンのシーア派武装組織「ヒズボラ」は7月30日、イスラエル軍によるベイルート郊外への攻撃で標的にされた軍幹部、フアド・シュクル司令官の死亡を確認した。
攻撃された直後、「ヒズボラ」は同司令官が生き延びたと発表していたが、その後シュクル司令官の遺体が発見されたと明らかにした。
またこのイスラエルの攻撃により、当初は1人の民間人が死亡したと報じられたが、その後犠牲者が5人になったことも発表された。
ガザ地区では2人のジャーナリストも死亡
一方、ガザ地区でも攻撃が続けられており、中東メディア「アルジャジーラ」のジャーナリスト2人が、イスラエル軍により殺害されたという。
亡くなったのは、「アルジャジーラ」の記者であるイスマイル・アル・グール氏と、カメラマンのラミ・アル・リフィー氏だ。
It is with a heavy heart that we mourn the loss of our colleague journalist, Ismail Al-Ghoul, who was killed in an Israeli airstrike while courageously covering the events in northern Gaza. Ismail was renowned for his professionalism and dedication, bringing the world’s attention… pic.twitter.com/g9YInFpuz8
— Mohamed Moawad (@moawady) July 31, 2024
2人は当時、ガザ地区北部のガザ市におり、イスラエル軍により故意にターゲットにされたと考えられている。
イスラエル軍は昨年10月以来、165人以上のパレスチナ人・ジャーナリストを殺害しているという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Fears of escalation grow after Haniyeh killing(7/31)