手術で左耳を足の甲に付けた女性が、動画を公開

Facebook/TEEPR 亮新聞

職場での事故で左耳が取れてしまった中国人女性が、その耳を足の甲に5ヶ月間付けてから元の場所に付け直すという、珍しい手術を受けた。足の甲に付いた状態の奇妙な映像が、中国メディアに紹介されている。

引き剥がされた耳

今年4月、「孙（サン）」という仮名で報じられている山東省在住のその女性は、働いている工場で事故にあい、左耳と頭皮、顔の皮膚の一部を引き剥がされてしまった。命にかかわる怪我ではなかったが、取れてしまった耳を元に戻すなどの再建手術が必要になった。

医師がよく調べたところ、耳を付けるべき側頭部の血管が破壊されていて、すぐには付け直せないと分かったそうだ。そこで、耳をいったん彼女の体の別の場所に移植し、生きた状態を維持しつつ、頭部の血管が回復するのを待つという珍しい方法がとられた。

耳の移植先に選ばれたのが足の甲。血管の太さが耳とほぼ同じで皮膚が薄い足の甲は、耳を植え付けるのに最適な場所なのだそう。外科医チームは髪の毛より細い針と糸を使い、10時間かけて、耳と足の甲それぞれの毛細血管をつなぎ合わせたと報じられている。

下にあるのは中国メディアが報じた彼女の足の映像。SNSでシェアされているものだ。

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孙さんはそれから5カ月間、足の甲に耳を付けて生活したそうだ。外出する時は耳を圧迫しないように大きな靴を履き、血流を良くするために適度な早足で歩いたとのこと。その5カ月間に頭部の皮膚は徐々に回復し、やがて耳を元に戻す手術が可能になった。

手術が行われたのは今年10月。頭部の毛細血管は回復したもののひどく変形しており、耳の血管と繋ぐのは非常に大変だったそう。それでも医師たちは顕微鏡下で組織を探り、正常な血管や神経を見つけてつなぎ合わせたとのことだ。手術は成功し、いま孙さんの耳は元どおりの場所にある。（了）