世界で初めて南国のパラオが、サンゴ礁に有害な日焼け止めの使用を禁止へ
日本からの観光客も多いパラオ共和国で、今後サンゴ礁に有害な成分が含まれる日焼け止めの使用が禁止されることとなった。
持ち込んだ場合も没収される
日本の南に位置するパラオ共和国。同国の政府は先日、サンゴ礁に有害とされる日焼け止めの利用を禁止する法案を可決。2020年1月1日から、この法律が施行されることとなった。
そして施行日から禁止されている日焼け止めを輸入したり、販売したりした場合、1000ドル(約11万円)の罰金が科せられることになるという。
また観光客が禁止されている日焼け止めを持ち込んだ場合も、没収されることになるそうだ。
「科学的根拠がある」
パラオは世界でも人気のダイビングスポットが多く、大統領報道官のTommy Remengesau氏も禁止する理由について、次のように語っている。
「日焼け止めに含まれる化学物質は、例えわずかな量でさえ、サンゴ礁に有害であるという科学的根拠があります。(略)来る日も来る日も、パラオのダイビングスポットやスノーケリングする場所に、数ガロンの日焼け止めが放出されているのと等しいのです」
またハワイのHaereticus環境研究所の所長、Craig Downs氏も日焼け止めとサンゴ礁の劣化との間には結びつきがあるとする、数多くの研究論文が存在すると指摘している。
禁止される日焼け止めとは?
禁止される日焼け止めは、オキシベンゾンやオクトクリレン、パラベンが含まれたもので、それらはたいていの大手ブランドの製品に含まれているという。
ただパラオ政府は禁止によって観光地としての人気に影響を与えることも懸念しており、観光客へ周知させることと、彼らが怯えて離れていくことのバランスを賢く保ちながら、これらの規定を進めるべきだとしている。(了)
出典元:THE STRAITS TIMES:Palau to ban toxic sunscreens to save coral reefs(11/2)
出典元:ABC net:Palau to become the first country to ban toxic sunscreen to protect its reefs(11/2)