飛行中のパイロットが居眠り!空港を通り越し、46km引き返して着陸する
オーストラリア交通安全局(ATSB)は、飛行中のパイロットが居眠りをし、着陸空港を通り越すという事件があったと発表した。
幸いにも飛行機は46km引き返し、空港に無事着陸したが、ATSBはパイロットの資格剥奪に値する事態として、現在調査を進めている。
飛行中にパイロットが居眠り
事件が起こったのは11月8日。オーストラリアのタスマニアからキングアイランドまでの飛行中でのこと。
ATSBの広報によると、「同日、飛行中のパイロットが居眠りをし、結果として46kmオーバーフライトをしてキングアイランドに着陸した。」のだという。
当フライトのトラッキングデータには、飛行機が島を通り越して、再度引き返した様子が記録されている。
#Travel – Pilot overshoots landing by 50km after falling asleep on flight from Tasmania to King Island – https://t.co/GKzxqGyfV6 #Travalogy pic.twitter.com/PMzLWOyh1U
— TRAVALOGY 🌎 (@travalogycom) November 27, 2018
事件の調査を進める当局
無事に着陸できたとはいえ、ATSBは事態を重くみている。
パイロットへの聞き取りや証拠収集など調査を進め、最終報告提出前に社内手続きの見直しを検討するという。
タスマニア、キングアイランド間のフライトに使用されている飛行機はわずか9人乗りという小型なもの。チャーター便として毎日複数回運航されており、事件当日も「居眠りフライト」を含め7回のフライトがあったという。
このパイロットが当日、何回フライトに搭乗していたのかは明らかではない。
パイロットの居眠りについて意外な事実とは
しかし、飛行中のパイロットが居眠りをするのは、我々が考えるよりもはるかに多いようだ。
2013年にBALPA(英国航空乗員組合)が発表した報告によると、調査したパイロット500人の56%がフライト中に居眠りをしたことがあると回答。
しかもそのうち29%が、目覚めてみたら横にいるもう一人の操縦士も眠っていた、と答えたというのだから驚きだ。
問題はパイロットの疲労と睡眠不足:専門家
航空専門家は、フライト中に居眠りをすることよりも、パイロットの疲労と睡眠不足という点に安全性の問題があると指摘している。
「航空史上、パイロットの居眠りが原因による墜落事故は1度としてありません。」
「それはあり得ないことです。もし、墜落がパイロットの疲労により起こるというのであれば、これまでに幾度となく発生していますよ。」
実際、自動操縦で飛行している間は、大した問題ではないのかもしれない。しかし、今回のタスマニア、キングアイランド間はたった45分のフライトなのだという。
いくら安全だと言われても、自身の乗っている飛行機のパイロットが居眠りをしていたら、と考えるとやはり不安が募る。パイロットには十分な休息と睡眠をとって任務に就いてほしいものだ。(了)
出典元:Independent:Pilot fell asleep and missed airport, officials say (11/28)
出典元:BBC:‘Asleep’ pilot missed destination in Australia, officials say (11/27)