中国へ容疑者を引き渡す法改正に異議を唱え、香港で数万人が大規模デモ
今週の日曜日、香港で数万人が参加する大規模なデモが起き、現在の法律(条例)を変える動きに異議を唱えた。
主催者側は参加者が13万人と発表
そもそも香港当局は、今年の7月までに犯罪の容疑者に裁判を受けさせるため、中国や台湾、マカオなどに引き渡せるよう、法律を変える必要性を訴えていたという。
そして現在、法の改正案が提出されているのだが、人々は改正により中国政府が香港において大きな力を得るとして反発。4月28日に数万人が通りに集まり、デモを行ったそうだ。
警察は今回のデモ参加者の人数を2万2000人と見積もっているが、主催者側は13万人近くがデモに参加したと主張。
ただいずれにせよ、2014年に行われた「雨傘運動」以来、もっとも大きなデモになると言われている。
Anti extradition to China campaign @ Hong Kong 28/04/2019 pic.twitter.com/gIgkbxRuOY
— Carver Law (@Carverlaw5) April 28, 2019
130,000 people joined the march today in Hong Kong in order to against the China extradition law and support jailed activist. It’s the biggest turnout since the Umbrella Movement in 2014. https://t.co/zEnQFxCQyc pic.twitter.com/ZBOQa4srGj
— Joshua Wong 黃之鋒 (@joshuawongcf) April 28, 2019
And here they come – Hong Kong rallies against proposed law allowing #extradition to China 🇨🇳 pic.twitter.com/HUjiV3wKXF
— Erin Hale (@erinhale) April 28, 2019
デモ参加者は行政長官の辞任を要求
香港はご存知のとおり、中国に返還されてから1国2制度のもとで、中国とは別の法体系を有している。
しかし今年の初め頃、香港のキャリー・ラム(林鄭月娥)行政長官は容疑者引き渡しに関する法律を全面的に見直す考えを示し、容疑者を裁判にかけるため中国へも引き渡しができるよう法律の改正を求めてきたという。
その上で香港当局は、法改正が行われても、死刑を言い渡される危険性のある容疑者や、拷問される恐れのある人物、政治的な容疑をかけられる者は、中国へ引き渡されることはないと説明した。
しかしデモの参加者は、この発言を信用しておらず、中国批判で移送される恐れがあるとして、逆に中国寄りの政策をとり続けるラム行政長官の辞任を要求したそうだ。
また中国の不透明な司法制度や、これまでの人権侵害の記録などを指摘し、香港が巻き込まれていくのではとの懸念も示したという。
香港では4月初旬にも、雨傘運動の指導的役割を果たした活動家9人が有罪になるなど、政治的な自由が抑圧される判決が下された。(了)
出典元:BBC:Hong Kong: Thousands protest against China extradition law(4/28)
出典元:REUTERS:Thousands take to Hong Kong streets to protest new extradition laws(4/28)